2019 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ規範意識がドーピング意識に与える影響に関する社会学的研究
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18K17833
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
依田 充代 日本体育大学, スポーツマネジメント学部, 教授 (50310371)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アンチ・ドーピング / ドーピング意識 / スポーツ規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2018年度~2020年度の日本学術振興会科学研究費助成事業の研究採択により、国から研究費を支援されて行っている研究である。具体的には、博士学位論文で開発した「ドーピング意識とスポーツ規範」の尺度を使用して、国際的な研究の視野に立ち、更なる他国での調査から、「ドーピング意識」にどのような「スポーツ規範」が影響を与えるかを明らかにすること、またその社会的な要因モデルについて明らかにすることを目的とする。 2019年度はアメリカでの現地調査を行った。具体的には、U.S.Anti-Doping Agency (USADA)とUSAウエイトリフティング協会での調査を実施した。 USADAでは①アメリカのアンチ・ドーピング組織(成り立ちと組織)、②アンチ・ドーピング教育について(競技者、一般のスポーツ実践者、教育現場や他の組織での教育)、③ドーピング違反者への対応、④なぜドーピングを行う選手がいるのか、⑤アメリカのドーピング事情についての調査を行った。USAウエイトリフティング協会では、① アメリカのWeightlifting 協会(成り立ちと組織について)、② Weightlifting 協会のアンチ・ドーピング教育について、③ ドーピング違反者への対応、④ なぜドーピングを行う選手がいるのか、⑤ Weightlifting選手のドーピング事情について調査を行った。 また、2月に予定していた韓国での現地調査は新型コロナウイルスの影響で延期とした。 さらに、アメリカミシシッピ大学と韓国慶熙大学校でスポーツ選手、日本のスポーツ専門大学の学生を対象に、「ドーピング意識とスポーツ規範」の調査を要請した。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で予定していた調査が延期になり、現在調整中である。 今後はこれらの調査結果を分析し論文を作成、学会発表を経て論文投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカの学術調査では、U.S. Anti-Doping Agency (USADA)とウェイトリフティングのフェデレーションに対し、インタビュー調査を行うことができた。そこでは、USADAが実施しているアンチ・ドーピング教育や政策について多くの知見を得ることができた。また、ウェイトリフティング協会では選手のドーピング事情について伺うことができた。 2019年度に予定していたアメリカと韓国、日本の学生に対するアンケート調査は新型コロナウィルスの影響で現在のところ調査が実施できていない。しかし、アメリカと韓国に対する調査はすでに依頼は完了しているため、情勢が好転次第、調査は実施できる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は韓国の現地調査とアメリカ・韓国・日本の学生の「ドーピング意識とスポーツ規範」に関する調査を実施する。その際、新型コロナウイルスの影響で現地調査などが出来ない場合は、オンラインなどの方法を検討する。 それらの調査が実施された後に、3ヵ国(アメリカ・韓国・日本)に対して行う調査から、依田ら(2017)で信頼性・妥当性が確認された尺度を用いて、ドーピング意識とスポーツ規範を検証していく予定である。また、同時に研究雑誌への投稿および学会における研究発表の準備も進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で、韓国の現地調査が実施できず、来年度に繰り越した。また、韓国の学生を対象とした「ドーピング意識とスポーツ規範」のアンケート調査が実施できずに、これらの謝金も来年度に繰り越した。 今後は上記の現地調査とアンケート調査の謝金に繰越金を使用する予定である。
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