2021 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ規範意識がドーピング意識に与える影響に関する社会学的研究
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18K17833
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
依田 充代 日本体育大学, スポーツマネジメント学部, 教授 (50310371)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ドーピング意識 / スポーツ規範 / アンチ・ドーピング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は博士学位論文で開発した「ドーピング意識とスポーツ規範」の尺度を使用して、国際的な研究の視野に立ち、更なる他国での調査から、「ドーピング意識」にどのような「スポーツ規範」が影響を与えるのか、またその社会的な要因モデルについて明らかにすることを目的としてきた。 2018年度はイタリアの自転車競技、オートモバイル、陸上の三協会と、CONIが開講しているScuola Dello SportのディレクターであるAngelo Altieri氏にコーチの立場から聞き取り調査を行なうことができ、イタリアのドーピング事情について多くの知見を得ることができた。2019年度はU.S.アメリカのアンチ・ドーピング機構(USADA)とUSAウエイトリフティング協会で調査を行うことができ、アメリカのドーピング事情について知見を得ることができた。特にドーピングが多いウエイトリフティング協会での調査を実施できたことは大きな成果であった。2020年度は日本の体育大学生に「ドーピング意識およびスポーツ規範意識調査」を実施し、903件のデータを取得することができた。アメリカと韓国の大学生にも調査を依頼し、アメリカの大学生390件のデータを収集することができたが、男女比率に大差が見られたため、再調査の追加を依頼した。韓国の大学生に対してはオンライン調査の準備を完了し、依頼をしたが新型コロナウイルス感染拡大のためやむを得ず延期に至った。また、韓国のアンチ・ドーピング協会の調査を実施する予定であったが、実施できずに2021年度に延期を行った。さらに、2021年度もコロナの影響で実施することができずに、再延期を行った。 2021年度はアメリカの大学生に対する追加調査と韓国の大学生に対する調査を実施した。現在は日本・アメリカ・韓国のデータを集計・分析し、学会発表と投稿の準備を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年11月に事故にあい、左足の膝を骨折したことによる入院・手術とリハビリ、車いすの生活が長く続いた。その後、2021年12月の抜釘手術とその後のリハビリにより、ケガは回復してきているが、思うように日常生活が送れずに研究活動に支障をきたした。 また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、海外でのフィールド調査が難しく2年連続で渡航することが出来なかった。 しかしながら、今年度はオンラインでの海外の学生調査を実施することができている。今後はデータ数などを見ながら渡航して先方と状況を確認しながら、追加調査も行い、この研究の完成を目指したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はアメリカと韓国の大学とアンチ・ドーピング組織でのフィールド調査を実施する予定である。 また、これまでに回答を得ることができた「ドーピング意識およびスポーツ規範意識調査」について、日本・アメリカ・韓国の3か国のデータを集計・分析し、「ドーピング意識」にどのような「スポーツ規範」が影響を与えるのか、またその社会的な要因モデルについて明らかにしていきたい。 そして、それらの結果から学会発表と投稿論文を作成しながら、アメリカと韓国の大学生のフィールド調査を実施していく。 今年度は研究の完成を目指して学会発表や投稿論文の作成を行っている予定である。
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Causes of Carryover |
自身のケガと新型コロナウイルスの感染拡大により、アメリカと韓国の大学とアンチ・ドーピング組織に対するフィールド調査が実施できなかったため、研究の再延長を行い、2022年度に予算を持ち越した。2022年度は必ず研究を完成して、論文の発表と投稿を行うために、予算を使用する。
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