2018 Fiscal Year Research-status Report
テニスおける状況に応じた打球可能範囲およびミスのリスクの定量化
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18K17846
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
村田 宗紀 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 講師 (40756607)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 揚力・抗力係数 / シミュレーションプログラム / テニスサーブ / ミスのリスク / 打ち出し角度 |
Outline of Annual Research Achievements |
物理的に実現可能なショットや,各ショットのミスのリスクを定量化することは,プレーの妥当性を評価する際の資料として有益である.本研究では,硬式テニスについて,様々なボールの軌道をシミュレートし,ミスのリスクを定量化する. 当該年度の研究では,ボール軌道シミュレータを作成するための基礎データを取得することを目的とし,実験を行った.ボールを様々な初期条件(初速,回転数)で打ち出し(球出しマシンを使用),3次元DLT法によって,各時刻のボールの座標を算出した.なお,分析に際し,カメラパラメータを考慮することで,カメラ1台からボールの3次元角速度を算出する方法を提案した. 得られたボールの軌道データから,ボールの空力特性を現在推定している.テニスボールの揚力係数に関する先行研究では,ボールのスピンパラメータが飛翔中に変化することを考慮していない.本研究では,他の競技に関する研究で行われているように,スピンパラメータで揚力係数を除すことで,飛翔中のボールのスピンパラメータの変化に対応するモデルを構築する予定である.なお,すでに分析が完了しているデータから推定した揚力・抗力係数によって,実測データをよく再現することができており,早期に全てのデータ分析を完了する. ボールの軌道シミュレーターについては,すでにプログラムの作成が完了している(現在は先行研究で報告されているテニスボールの揚力・抗力係数を用いている).そして,サーブにおいて身長が高い事の優位性を,許容される打ち出し角度の範囲として定量的に評価することができた.実験で得た揚力・抗力係数の推定が完了次第,シミュレーションプログラムに組み込み,様々な条件下でのミスのリスクを定量化する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
揚力・抗力係数の推定について,実験データの分析に当初の想定以上の時間を要している.しかし,シミュレータの作成は順調に完了していることから,研究の遂行に大きな影響を与える可能性は低いと推測される.
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度は,早期に揚力・抗力係数の推定を完了し,異なる条件におけるミスのリスクを定量化する. 以上の課題に並行し,実際にサーブを打球した際のデータを取得する.そして,各選手のミスのリスクと,各選手が放つ打球の初期条件のばらつきを合わせて検討し,サーブにおいて熟練者がミスのリスクをどのように低減させているかを検討する.
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Causes of Carryover |
データ分析の遅れに伴い,当初予定していた学会への参加を取りやめたことから,次年度使用額が生じた. 令和元年度は,研究成果の公表に伴う費用(論文投稿,学会発表),実験に伴う被験者謝金および消耗品費として使用する.
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Research Products
(1 results)