2019 Fiscal Year Annual Research Report
Skeletal muscle activity on whole-body positron emission tomography during weight lifting
Project/Area Number |
18K17855
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高田 泰史 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (50749174)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポジトロン断層撮影法 / ウェイトリフティング / トレーニング / 糖代謝 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウエイトリフティングは単純・高負荷な動作の反復であるその競技特性から特異的な障害が多い。また、現場では指導者の経験に基づいたトレーニング方法(主にはビッグスリーといわれるベンチプレス、デッドリフト、スクワットの3種)が画一的に行われている。これらの現状から、我々は競技動作時の全身の骨格筋活動量を定量的に評価し、その骨格筋を効果的に鍛えることができるトレーニングプログラムを構築すればパフォーマンスの向上と障害予防につながるのではないかと考え、研究の着手に至った。具体的にはウエイトリフティングの基本動作であるハイクリーン動作後にポジトロン断層撮影法(PET)を行い、特異的な骨格筋活動のパターンを検証した。 大学ウエイトリフティング選手12人を対象に、40kgに設定したバーベルでのハイクリーン動作を20回×3セット行った。その後FDGの静脈注射を受け、さらにハイクリーンを20回×3セット行い、FDG注射60分後にPET-CTを撮影した。得られた画像をもとに、各骨格筋のstandardized uptake valueを測定した。全身71の骨格筋を評価の対象とし、日常生活以外の運動を制限した健常成人5名(と比較した。 評価した71の骨格筋のうち36に有意な糖代謝の亢進を認めた。特に手指および足趾の筋群、僧帽筋、三角筋、前腕屈筋群、下腿三頭筋に有意な糖代謝の亢進を認めた。また、各骨格筋の糖代謝の亢進に左右差はなかった。糖代謝の観点からハイクリーン動作時の左右対称的な筋活動と、数多の骨格筋の貢献が示唆された。 これらの結果から、長年行われてきたビッグスリーのみならず、糖代謝の亢進を認めた骨格筋を左右両側ともに鍛える複数のトレーニングを行う必要性が見出された。今後、更なる解析を加えパフォーマンスの向上と傷害予防により効果的なトレーニングプログラムの構築を目指す。
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