2018 Fiscal Year Research-status Report
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18K17857
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北嶋 康雄 熊本大学, 発生医学研究所, 特別研究員(SPD・PD・RPD) (70734416)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 骨格筋 / 筋幹細胞 / 老化 / たんぱく分解系 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢による骨格筋量の減少はサルコペニアとよばれ、近年、大きな問題になっている。骨格筋量は、健康寿命と正の相関があることが示され、骨格筋量を維持することそのものが重要なことが示唆されている。骨格筋は、骨格筋幹細胞により構成されるため、骨格筋恒常性維持には骨格筋幹細胞の正常な働きが欠かせない。これまでに骨格筋幹細胞と分解系の役割を示した研究はほとんどなく、幹細胞の正常な維持機構にどのように働くのかは未だ明らかでない。そこで、筋幹細胞特異的に主のたんぱく分解系であるプロテアソームの機能不全を起こせるマウス(KOマウス)を用いて、幹細胞における分解系の役割を明らかにすることを目的とした。本年度は、幹細胞が特に寄与すると考えられる、骨格筋再生実験を主に行った。KOマウスでは再生不良を示したが、その際に、筋芽細胞を表すMyoD陽性の細胞が有意に少ないことが分かった。さらに、筋幹細胞を表すM-cadherinもKOマウスで少ないことが分かった。 また、KO誘導後に筋幹細胞の遺伝子発現を調べたところ、老化に関連するp53、p16、p21の遺伝子発現がKOにおいて増加していることが分かった。しかし、老化マーカーとして知られているβ-gal染色などでは染まることは確認できなかった。培養系では、これまでにKO由来の筋幹細胞において、p53遺伝子をノックダウンすることにより増殖抑制をレスキューできることを報告している。そのためこれらを個体レベルで解析するために、p53 floxedマウスを導入し現在解析準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
KOマウスの培養系では、メカニズムの主がp53経路であることを突き止めた。また、本年度計画していた老化関連マーカーを探る実験も計画通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
KOマウスでは、培養系でp53をメインとして増殖抑制をレスキューすることを突き止めた。次年度は、これらを個体レベルで検証するために新たにp53 floedマウスを導入し、個体レベルでの詳細な解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験消耗品などでは、他の助成金での消耗品の購入ができたため研究費を効率よく使用できた。次年度は、新しい解析手法の導入や新たな解析などにより予算が必要なため、それらの解析費用にあてる。
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Research Products
(3 results)