2018 Fiscal Year Research-status Report
クロスカントリースキー競技における上肢と下肢による力の貢献度の走法間比較
Project/Area Number |
18K17867
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
藤田 善也 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 准教授(任期付) (30633226)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | スキー反力 / ポール反力 / キネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,力センサを内蔵したポールとスキーを独自に開発し,上肢および下肢で発揮される力の滑走速度への貢献度を走法間で比較することである.当該年度には,ポールとローラースキーから発揮される力の検出のためのセンサシステムの開発を実施した. センサスキーは,クラシカル種目用に新たに開発し,競技用ローラースキー(Alutech, Swenor)のフレームの底面にひずみゲージを貼付し,ローラースキーの底面へとかかる力を電圧の変化から検出できるようにした.さらに推進力となるローラースキーの水平方向へとかかる力を力センサ(9103A,Kistler)から検出できるようにした.これらのセンサから出力される電圧データは小型データロガーに取り込むことで,記録できるようにした. センサポールは1成分高感度力センサ(9217A, Kistler)をポールのグリップ部に内蔵し,ポールの圧縮方向の力を検出できるようにした.その際,ポールのたわみによる力の誤検出を防ぐために,先行研究をもとにテレスコープ式のシステムを構成した.先行研究で採用されているテレスコープ式のセンサシステムは検出精度が高く,ポール反力を高い精度で測定するために不可欠な構造である.しかしながらこれまで国内では同方式の検出システムの開発は行われておらず,また詳細なシステム構造も明らかにされていなかった.このシステムを当該年度内に開発できた意義は大きい. 当該年度に実施されたセンサポールおよびセンサスキーの開発は,本研究の目的を達成するために不可欠なものであり,これらの開発が当該年度内に完了した点,新規性および検出精度の高いシステムを採用できた点において,高い実績を上げることができたといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度内に計画していたセンサポールとセンサスキーの開発が完了していることから,研究はおおむね順調に進展しているといえる.特にセンサスキーにおいて,ひずみゲージと力センサの両方をシステム内に組み込むことはクロスカントリースキー競技を対象とした反力測定において新規的であり,これが完成したことは本研究において大きな進展であるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,開発されたセンサポールおよびセンサスキーを用いて,クロスカントリースキー滑走中のポールおよびローラースキーから発揮された力を収集し,各走法の特徴を明らかにする.さらにポール(上肢)とローラースキー(下肢)のそれぞれで発揮された力を走法間で比較することで,各走法の力学的特徴を明らかにする.クロスカントリースキー滑走中の力発揮特性の解明については,ヨーロッパを中心に研究が進められてきているため,当該分野の研究の進捗状況についてチェックをするとともに,新規性および独創性の高い研究成果を獲得していく.
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Causes of Carryover |
物品費の見積額が変更となったため,小額ながら差額が生じた.この点について次年度に必要な計測に関する消耗品の購入に充てる.
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