2018 Fiscal Year Research-status Report
運動時の心理的ストレスを反映するマーカーとしての分泌型microRNAの可能性
Project/Area Number |
18K17873
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
石飛 博之 京都産業大学, 現代社会学部, 助教 (30772074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / microRNA / 心理的ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの人がスポーツの試合などの本番において、結果を意識しすぎるあまり「心理的ストレス」が高まり、練習の成果を十分に発揮できなかったという経験があるだろう。一方、その心理ストレスを客観的に評価するために、何が有用であるかという疑問が挙げられる。これまで心理状態を反映するマーカーとしてコルチゾールなどが用いられてきた。しかし、運動、心理のどちらの状態を反映しているか区別することは難しく、心理状態を特異的に反映する新たなマーカーを探索する必要性がある。研究代表者はその候補として、Exosome、および分泌microRNA(miRNA)に注目し、ヒト、マウスを対象として、心理的ストレスを反映するmiRNAの探索と機能解析を行うことを目的とした。 平成30年度は、まず実験動物を用いて心理的ストレスの候補となりうるmiRNAの探索を試みた。モデルマウスとして、うつ症状を示すことが明らかとなっているノックアウトマウスを用いた。ノックアウトマウス、野生型マウスより血清を抽出し、miRNAを精製後、次世代シークエンサーを用いてmiRNAの比較解析を行った。現在、過去の先行研究と比較し、新規の心理的ストレスマーカーとなりうるmiRNAを探索中である。また、ヒトの唾液や血清からsmallRNAの単離が可能であることを確認した。今後は、主にアスリートと一般学生を対象とし、年間のスケジュールを参考に生体試料のサンプリングを定期的に行い、新規の心理的ストレスマーカーの候補となるmiRNAの探索を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウス由来のサンプルの条件設定に時間を有したため
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Strategy for Future Research Activity |
マウス、ヒトからの実験条件が設定できたため、順次サンプリングを行い、当該実験を加速する予定である。内容としては、主にアスリートと一般学生を対象とし、年間のスケジュールを参考に生体試料のサンプリングを定期的に行い、新規の心理的ストレスマーカーの候補となるmiRNAの探索を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
平成31年度にヒトを対象としたサンプリングを大々的に実施する予定があった。そこで、その人件費確保のために平成30年度の支出を抑えた。
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