2023 Fiscal Year Annual Research Report
Possibility of secreted microRNA as a marker of psychological stress
Project/Area Number |
18K17873
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
石飛 博之 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (30772074)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Exosome / microRNA / ストレス / コンディション / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、microRNA(miRNA)を含むエクソソームのストレス応答を明らかにすることにより、心理状態を特異的に反映する新たなマーカーの確立を目的とした。駅伝競技大会の直前期・大会期間、大会終了後の不安調査(STAI)の解析から、大会直前期に比べ、大会期間に不安感が増加し、大会終了後に大会直前期と同程度の不安感に戻るというパターンを観察した被験者の血清を用いて、次世代シークエンサー解析を行った。結果、STAIの結果に一致して、変動するmiRNAを観察した。しかし、サンプル数が少ないために心理的不安を反映している新規miRNAの候補であるとは結論づけることは困難であったため、 協力を得られた、国立長寿医療センターからサンプル提供を受けた。高齢健常者・鬱患者の血清サンプル、各々数名分を比較対象のサンプルとし、同様に次世代シークエンサー解析を行った。その結果、試合準備期、試合期終了後に比べ、試合期において、STAI値が高まるアスリート血清中のmiRNAは高齢健常者では変化がないものの、高齢鬱患者ではアスリートと同様に変動するmiRNAが観察された。発現が低下するmiRNAでは、鬱患者での報告があるmiRNA-335(Li Jet al.:Neurosci Lett.2015)や未知の新規miRNAを同定し、発現が上昇するmiRNAにおいても、統合失調症で報告されるmiR-195(Huseyin et al.:Psychiatry Res.2016)や未知の新規miRNAを同定した。 また、新型コロナウィルスの影響から、被験者として予定していたアスリートのサンプリングを進めることができなかったため、最終年度は対象の被験者枠を一般学生にも拡大した。近年、若年層の年代においても心身のフレイル問題などの健康不安が指摘されていること、そして、本研究で確立を目指す心理的な状態を反映するマーカーがこれら被験者の健康不安を反映するマーカーとしても応用できるのではないかと考えたことが被験対象を拡大した理由である。
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