2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Preventive Effect of Voluntary Physical Exercise on Mental Disorders in High-Fat-Diet-Mice
Project/Area Number |
18K17876
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
小柳 えり 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (50804647)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動習慣 / うつ様行動改善 / 腸内細菌叢 / 便移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
全世界の肥満人口は21億人とも報告され、日本も例外ではない。肥満症は、精神疾患のリスクファクターの一つともされる。うつや不安障害患者は、健常者と比較して、体重の増加がみられ、肥満率が2倍であることが報告されている。うつ病、認知症などは、肥満との関連が強く、非常に特徴的な腸内細菌叢を形成れる。腸内細菌叢は、性格や心の状況に影響を与えるものとして、我々の行動に影響を及ぼしている可能性は高い。一方、運動習慣が健康の維持増進にとって効果的であることは周知の事実であるが、精神的健康に対する効果や意義については、今までのところ不明である。本研究では①高脂肪食摂取が、マウスの抑うつおよび不安行動に及ぼす影響、②運動習慣による高脂肪食摂取マウスの不安行動発症に対する予防効果、さらに、③不安行動に及ぼす腸内細菌叢の影響について検討することとし、本年度は、不安行動に対する腸内細菌叢の関与について検討を行った。 実験には、C57BL/6雄マウス4週齢(n=40)を、同種同齢マウス便移植群、通常食餌安静便移植群、通常食餌自発運動便移植群、高脂肪食餌安静便移植群、高脂肪食餌自発運動便移植群に分け、6週間飼育した。その後、オープンフィールドテスト、シューロース嗜好性テストおよび強制水泳テストの行動テストを実施した。 ドナーマウスにおいて、運動および高脂肪食餌摂取が腸内細菌叢の形成に影響し主成分分析からも、PC1(22.61%)、PC2(6.02%)明らかとなったものの、これらの糞便移植によるレシピエントマウスの行動変化は、見られず糞便移植により伝播しないことが示された。また、ドナーマウスで観察された脳内の遺伝子発現も糞便移植による差は観察されなかった。したがって、本モデルにおいて糞便移植を用いた行動変容に対する腸内細菌叢の関与については明らかとならなかった。
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