2022 Fiscal Year Annual Research Report
Representational and cognitive mechanisms of locomotion that evokes emotional changes
Project/Area Number |
18K17886
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田辺 弘子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (60780666)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行 / 歩容 / ロコモーション / 魅力 / 女性らしさ / 運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「身体運動の美醜判断に関与する運動制御・認知メカニズムの解明」であり、そのために研究1では動作主体の運動制御メカニズムの解明、研究2で は客体の認知的な美醜判定メカニズム、研究3では研究1と2を統合した人工的な美醜歩行運動生成モデルの構築を計画した。 最終年度(令和4年度)は、研究1において明らかになった"歩行者自身による魅力的な歩容の表現に寄与する運動の特徴量"と、研究2において明らかになった"歩容の観察者が認知する魅力・女性らしさと関連する歩容特徴量"の知見を統合させ、歩容の特徴量を説明変数とした"魅力・女性らしさのモデル"を、共分散構造分析を用いて構築した。現在、本研究成果に関して論文執筆を行っている(英文校正段階)。また、研究1の成果を国際雑誌に投稿し、採択された。 研究期間全体を通して、①歩行者自身による魅力の表現という、これまで扱われることのなかった視座から身体運動の魅力を捉えることができ、また②これまで未解明であった歩容の魅力認知に寄与する歩容特徴量を明らかにすることができた。これらの研究成果から、女性の歩容の魅力には、女性らしさを強調しうるダイナミクス(臀部の揺れや腰椎のカーブ、上腕を後ろに引くことによる胸部の強調)や疾患や加齢と関連する歩容(膝伸展やtoe-off角度など)が関連することが明らかとなった。さらに、③共分散構造分析により、裸足歩行とヒール歩行の魅力・女性らしさを説明するモデルを構築することができ、歩容の魅力度を推定しうるモデルを構築することができた。 (令和元年度から令和2年度8月まで育児休業のため研究を中断した)
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