2018 Fiscal Year Research-status Report
A unified model of motor learning based on a unified framework of motor control and learning
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18K17894
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
瀧山 健 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40725933)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | データ駆動型身体運動科学 / 身体運動制御 / 身体運動学習 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
歩く、ボールを投げる、スマートフォンを操作するなど、我々は日常生活における身体運動動作を難なくこなすことができる。しかしながら、ある身体運動を達成するためには、360もの関節、650以上もの筋肉を協調させて制御する必要があり、我々がどのように身体という大自由度系を制御しているかは未だ明らかでない。一つの仮説としては、目標を達成するために必要不可欠な運動要素(課題関連成分)のみを制御し、目標達成に必要ない運動要素(課題非関連成分)は制御していないというものである。そのため、多くの研究が、目標を達成するために必要不可欠な運動要素を抽出し、その性質を議論していた。 上記の仮説やそれに基づく研究では、課題関連成分・非関連成分を議論する必要があるため、ものを掴む際における手先の軌道、ダーツ投げにおける投げた瞬間のダーツの位置と速度と終点位置の関係性、など運動と結果の関係性が明らかである状況のみが対象となっていた。すなわち、投球動作における足の動きの役割など運動と結果の関係性が明らかでないものを対象とすることは困難であった。 1年目の研究ではベーシックな機械学習手法を身体運動解析に適用することにより、様々なデータタイプ、様々な運動パターンにおいて、課題関連成分・非関連成分を抽出する手法を提案した。提案手法は、先行研究にて提案されていた複数の手法の利点を統合し、欠点を克服する新たな身体運動解析手法となることを示した。 さらに、難易度を急激に変化させる運動学習と、難易度を徐々に変化させる運動学習との比較を行い、課題関連成分・非関連成分がどのように変化するか定量化した。その結果、難易度を急激に変化させる運動学習では課題関連成分が学習後にも変化しやすく、難易度を徐々に変化させる運動学習では課題関連成分が学習後に変化しづらいという、身体運動学習における新たな知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画全体を通じて達成すべき研究目標は、1年目に論文投稿を行うまでに達成できた。以上により、当初の計画以上の進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿した論文採択を第一の目標に、より研究内容を洗練させる必要がある。加えて、提案手法が多様な運動パターンに適用可能であることを示す。特に、運動と結果の関連が非自明な状況において、既存手法では扱いが難しい状況において、提案手法の強みを示す。
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Causes of Carryover |
当初の計画よりも効率的に研究を遂行できたため。実験環境の充実化、論文のオープンアクセス費用、被験者謝金として利用する。
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