2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of internal and external focus on movement coordination
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18K17896
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
岩見 雅人 東京学芸大学, 教育学部, 特任准教授(Ⅰ種) (50634698)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 内的・外的焦点化 / 注意配分 / 運動協調性 / 運動パフォーマンス |
Outline of Annual Research Achievements |
運動学習の際に身体内部(筋などの身体部位)へ注意を向ける『内的焦点(IF:Internal focus)』は、運動パフォーマンスの低下を招くと報告されている。また、運動学習時においても、IFに対して身体外部や外部環境に向ける『外的焦点(EF:External focus)』の方が運動学習の効果が高く、自動性を高めることが報告されている。 このように、先行研究では内的焦点がパフォーマンスに及ぼす影響について多くの報告があるが、どのような注意付けが「どの部分(関節)の動きに」「どのような」影響を与えているか、運動協調性の観点から検討した研究はない。 本研究課題では、内的焦点および外的焦点が運動パフォーマンスおよび運動協調性に及ぼす影響を、注意の向け方や注意対象、そしてスキルレベルの相違から検討することを目的とした。動作としてゴルフのパッティング課題やバスケットボールのシュート課題を用いて、内的・外的焦点化の課題条件を設定した実験を実施した。 ゴルフのパッティングを対象とした運動学習実験では、パッティング時のボールとパターヘッドのインパクト音に注意を向けたグループ(外的焦点群)が、近距離(1.8m)でのパット成績が有意に改善された。一方で、内的焦点群と対象群に顕著な変化は認められなかった.また、外的焦点群のパッティングの変動誤差が最も低値を示し、インパクト音の音量や音調を学習に有効活用していたことが推測された。さらに、バスケットボールのシュート実験においては、未経験者が内的焦点でシュートを打つことで「意識した関節部位が固縮した」などの内省報告が得られた。 これらの研究成果から、運動指導時などにおいては動作習得を阻害する「身体特定部位」への内的焦点を用いるのではなく、外的な情報、特にインパクト音など動作由来の情報に焦点を当てることが有効であることが示唆された。
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