2019 Fiscal Year Research-status Report
The interactive effects of exercise and diet on vascular endothelial function
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18K17910
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Research Institution | Hiroshima Shudo University |
Principal Investigator |
三浦 康平 広島修道大学, 健康科学部, 助教 (70801679)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 血管内皮機能 / 動脈硬化 / 運動 / 食事 / 血流依存性血管拡張反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
食前,または食後に実施する高強度間欠運動による一過性な血管内皮機能の改善を惹起する運動効果(運動誘発性血管内皮機能改善)が,食事摂取後の一過性の血管内皮機能低下(食事誘発性血管内皮機能低下)にどのような影響を与えるかを検討した。 健康な若年成人11名が,以下の3つのプロトコールにランダムな順序で参加した。対照条件は,食事としてグルコース75gを含有した飲料を摂取し,その後120分の安静を保った。運動条件は,脚自転車エルゴメーターによる高強度間欠運動を30分間行った。食事と運動のタイミングは,飲料摂取の60~30分前に運動を行う食前運動条件,あるいは飲料摂取後15~45分後に運動を行う食後運動条件の2つとした。 上腕動脈の血管内皮機能は,糖質飲料摂取の直前,摂取後60分目,120分目に,血流依存性血管拡張反応(FMD)測定により最大血管拡張率(%FMD)を算出して評価した。また,血管内皮機能の変容に及ぼす生理因子として,超音波ドップラー法により上腕動脈の血流速度と血管径を定期的に測定し, FMD測定と同じタイミングで血中グルコース濃度を測定した。 飲料摂取後60分目において,食後運動条件は対照条件及び食前運動条件に比べ%FMD,シェアレートは有意に高値を示し,血中グルコース濃度は有意に低値を示した。 食後の高強度間欠運動は食前の場合に比べ,食事摂取後の一過性の血管内皮機能低下を抑制する方向に作用し,これはシェアレートの増加及び血糖の上昇抑制によることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,食前,または食後に実施する高強度間欠運動が食事誘発性血管内皮機能低下に与える効果の違いを検討した。予定通りの実験を遂行し,次年度以降に行う実験を計画する上で有益な結果を得ることができた。したがって,おおむね計画通りであり,順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は,過去2年の実験で得られた結果をふまえ,運動トレーニング実験を行い,急性効果が慢性効果に定着する過程について検討する。被験者は健康な若年者10名程度とする。運動トレーニング頻度と期間は週3回,8週間とし,運動強度は中等度の強度で実施する予定である。基本的な測定項目などはこれまでとほぼ同様で,血管内皮機能の評価にはFMD測定を行い,トレーニング期間における経時的変化を明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度購入予定であった測定機器の一部を購入する必要がなくなり必要経費が抑えられたため,残金が生じた。今年度の残額と,次年度の配分額をあわせて,計画している実験の遂行に必要な機器購入費や被験者および実験補助者への謝金,その他諸経費に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)