2020 Fiscal Year Research-status Report
生活習慣病予防を目的とした食事脂質の評価と機能性油の創出
Project/Area Number |
18K17920
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮本 潤基 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20805668)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | gut microbial metabolite / dietary lipid / GPCRs / obesity |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、食事脂質由来腸内細菌代謝物が脂肪酸受容体に対して内因性のリガンドよりも高い親和性を示すこと、高脂肪食誘導性肥満モデルマウスに対して、抗肥満・代謝改善作用に寄与することを明らかにした。また、脂肪酸受容体を介した腸管ホルモン分泌の亢進によって、耐糖能改善に寄与することを明らかにした。そこで、2020年度は食事脂質由来腸内細菌代謝物の生理的意義の解明を目的に検討を行った。 食事脂質由来腸内細菌代謝物を代謝できるヒト由来腸内細菌を選抜し、無菌マウスへ定着させることでノトバイオートマウスを作出した。対照群には、食事脂質由来腸内細菌代謝物を代謝できないヒト由来腸内細菌(同一の属に属する菌種)を定着させ、高脂肪食負荷による肥満への影響を評価した。その結果、食事脂質由来腸内細菌代謝物を代謝できる腸内細菌を定着させたノトバイオートマウスは、生体内における食事脂質由来腸内細菌代謝物の顕著な増加を確認し、高脂肪食誘導性肥満モデルマウスの肥満症状を改善した。この時、これまでに明らかとなった腸管ホルモン分泌の亢進や耐糖能改善が認められた。一方、無菌マウスや食事脂質由来腸内細菌代謝物を代謝できない腸内細菌を定着させたノトバイオートマウスは高脂肪食誘導性肥満の肥満症状を改善せず、脂肪組織炎症なども亢進した。 以上より、近年の食の欧米化に伴う食事脂質摂取量の増加によって、耐糖能の悪化やインスリン抵抗性などを伴う劇的な肥満者が増加している。しかしながら、これら食事脂質の構成する脂肪酸を代謝できる腸内細菌を有することで、肥満を誘発する脂肪酸を腸内細菌代謝物として代謝する結果、肥満抵抗性に寄与することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究成果を論文として報告し、今年度、新たな研究計画に着手することが期待できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究成果を遂行するにあたり、予期しない新たな食事脂質由来腸内細菌代謝物の存在が明らかとなった。これら新たな腸内細菌代謝物群の脂肪酸受容体を介した作用や、生理的意義の解明を目指す。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Maternal gut microbiota in pregnancy influences offspring metabolic phenotype in mice.2020
Author(s)
Kimura I, Miyamoto J, Ohue-Kitano R, Watanabe K, Yamada T, Onuki M, Aoki R, Isobe Y, Kashihara D, Inoue D, Inaba A, Takamura Y, Taira S, Kumaki S, Watanabe M, Ito M, Nakagawa F, Irie J, Kakuta H, Shinohara M, Iwatsuki K, Tsujimoto G, Ohno H, Arita M, Itoh H, Hase K.
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Journal Title
Science
Volume: 367
Pages: eaaw8429
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Contribution of uremic dysbiosis to insulin resistance and sarcopenia.2020
Author(s)
Uchiyama K, Wakino S, Irie J, Miyamoto J, Matsui A, Tajima T, Itoh T, Oshima Y, Yoshifuji A, Kimura I, Itoh H.
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Journal Title
Nephrol Dial Transplant.
Volume: 35
Pages: 1501-1517
DOI
Peer Reviewed
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