2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17921
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
夜久 圭介 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (70761865)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NAD / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
Nicotinamide Adenine Dinucleotide (NAD)は生体内の酸化還元反応に関わる補酵素であり、特にエネルギー代謝の調節においては中心的な役割を担っている。体内のNAD量は加齢に伴い減少し、代謝機能を低下させることで老化を加速させると考えられており、NADの前駆体を用いたNAD補充療法が注目を集めている。その一方で、NAD代謝の全体像は未だに明らかにされていない。そこで本研究ではNAD代謝の新規経路として、NAD代謝中間体の脱アミド化機構について解析を進めている。 今年度は前年度に同定した脱アミド化酵素のノックアウトマウスを解析した。野生型のマウスであればNADの前駆体のひとつであるNicotinamide Riboside (NR)を投与した際に肝臓のNAD量が増加するが、本ノックアウトマウスではその増加幅が優位に縮小した。また、脱アミド型のNAD代謝物も同様の結果を示したことから、本酵素がNAD代謝における脱アミド化機構に関わっていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通り、新規反応を触媒する酵素のノックアウトマウスを解析し、本酵素のNAD脱アミド化機構における重要性を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
様々なNAD前駆体を新規反応を触媒する酵素のノックアウトマウスに投与し、各組織のNADメタボロームを測定することでより詳細な代謝機構を明らかにする。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスによる影響で学会参加、研究活動ともに計画変更を余儀なくされ、その結果未使用額が生じた。そこで、次年度の解析のための経費に充てることとする。
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Research Products
(6 results)