2020 Fiscal Year Annual Research Report
Implication of alpha-Klotho as a novel predictor of stress
Project/Area Number |
18K17923
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 香織 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 助教 (10650872)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ストレス / 健康障害 / クロトー |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的なストレスはメンタル不調だけでなく様々な疾患や健康障害を増悪させるリスク因子であることは広く知られているが、ストレス状態を示す客観的な指標となるバイオマーカーについては明らかにはなっていない。 これまでに慢性的ストレスの一つである喫煙習慣が老化遺伝子として知られているαクロトーの血中濃度を上昇させることを発見した(Sci Rep, 2015)ことから、ストレス・生活習慣とαクロトーとの関係性に着目した。さらに、αクロトーが健康障害の増悪に対してどのような影響を及ぼすかについても検討を加えた。 基礎疾患のない非喫煙者を対象とし、身体計測、血液検査、生活習慣調査、また精神疾患のスクリーニングとして開発された質問票で、心理的ストレスなどの精神的な問題の程度を表す指標として利用されているKessler 6 (K6) スコアを問診項目に取り入れ、血清αクロトー値との関連について解析を行った。「ストレス管理ができていない」「睡眠で充分な休養が取れていない」と回答した群で血清αクロトー値が有意に上昇していた。さらに血清αクロトー値は、精神的ストレスや睡眠状態における関係性についてK6スコアと同様の傾向を示したことから、血清αクロトー値の上昇はストレス状態を予見している可能性が考えられた。(J of Investig Med, 2019) また、αクロトーの血中濃度を測定した対象者のコホート研究を行ったところ、高血糖を呈する群のベースラインの血清αクロトー値は高血糖を呈さない群の血清αクロトー値よりも有意に低値であった。さらに、腹部肥満・血圧高値・高LDL血症などを呈する群でもこれらを呈さない群に対してベースラインの血清αクロトー値は低い傾向が認められた。このことから、血清αクロトー値の低下は健康障害の増悪に関与している可能性も示唆された。(Int J of Gen Med, 2021)
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