2018 Fiscal Year Research-status Report
リフィーディングシンドロームにおけるRFS Indexの確立と栄養療法の開発
Project/Area Number |
18K17928
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | リフィーディングシンドローム / 低リン血症 / リン代謝 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的な低栄養状態にある患者に積極的な栄養補給を開始した時に発症するリフィーディングシンドローム(RFS)は致死的な代謝異常症である。超高齢化した日本では誤嚥性肺炎などのため長期に低栄養状態となっている患者が増加しており、RFSの発症も急増している。しかし、今のところ有効な治療法はなく、低栄養状態の患者に栄養を再開する時、急激に栄養を投与せず、目標の摂取エネルギー量まで投与量をゆっくりと段階的に増やし、発症を予防するしかない。有効な治療法と予防法の開発にはRFS発症に関わる分子レベルでの詳細なメカニズム解明が重要である。しかし、これまでRFSのモデル動物は存在しなかった。そのためRFSの発症機構や治療法にかかわる研究は進んでおらず、発症しやすい低栄養状態や栄養療法の再開時の栄養投与方法については不明な点が多いままである。 昨年度はすでに我々が作成したRFSモデル動物、Rescure動物において発症メカニズムの解明に取り組んだが、本モデル動物は極度の状態であり退社が破綻している可能性が示された。そこで、代謝が破綻していない軽度のRFSモデル動物を作成し、メカニズムの解明に取り組んだ。低栄養状態およびリフィーディングを軽度とした軽度RFSモデル動物もこれまでのモデル動物と同様に低リン血症を示したことから、このモデル動物における糖代謝関連分子の解析、糖代謝関連ホルモンについて解析を行った。今後さらに詳細なリフィーディング発症時のメカニズムの解明、発症予防に役立つリフィーディングシンドローム指標(RFS Index)の確立を目指す。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、RFSモデル動物におけるRFS発症メカニズムの解明を予定していたが、本モデル動物は代謝が破綻している可能性が示されたため、2018年度はすでに確立したRFSモデル動物に加え、軽度RFSモデル動物も確立した。そして、RFS発症時の糖代謝関連分子および糖代謝関連ホルモンの解析を行っており、発症メカニズムの解明に取り組んでいる状況である。
|
Strategy for Future Research Activity |
RFSモデル動物、および軽度RFSモデル動物におけるリン代謝・糖代謝変動を解析し、発症メカニズムの解明を目指す予定である。さらに、メカニズム解明に向け、動物実験だけでなく細胞実験の必要性についても考慮して研究を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
購入予定であった機器について、学内で類似の機器が存在し、機器の種類や購入について慎重に検討を行っている状況である。今後、必要に応じて機器購入を検討する。
|
Research Products
(1 results)