2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of RFS Index and development of nutrition therapy in refeeding syndrome
Project/Area Number |
18K17928
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
田中 更沙 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (90733387)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リフィーディングシンドローム / 低リン血症 / リン代謝 / 糖代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的な低栄養状態にある患者に積極的な栄養補給を開始した時に発症するリフィーディングシンドローム(RFS)は致死的な代謝異常症である。しかし、今のところ積極的な治療法はなく、低栄養状態の患者に栄養を再開する時、急激に栄養を投与せず、目標の摂取エネルギー量まで投与量をゆっくりと段階的に増やし、発症を予防するしかない。そのため、有効な治療法と予防法の開発にはRFS発症に関わる分子レベルでの詳細なメカニズム解明が重要である。しかし、これまでRFSのモデル動物は存在せずRFSの発症機構や治療法にかかわる研究は進んでおらず、発症しやすい低栄養状態や栄養療法の再開時の栄養投与方法については不明な点が多いままである。 本研究では分子レベルでのRFS発症メカニズムの解明として、代謝の要である肝臓でのメタボローム解析および発症リスク、予防法、治療法の開発をめざす。 昨年度はRFS発症時の分子レベルでの代謝変動を明らかにするため、代謝が破綻しておらず低リン血症を呈する軽度RFSモデル動物の肝臓メタボローム解析について詳細な解析を行った。その結果、特定のアミノ酸およびエネルギー代謝に関与する物質の代謝変動が明らかとなった。さらに、治療方法の開発の一つとして異なる栄養投与方法がリフィーディング時のエネルギー代謝に及ぼす影響を検討した結果、経口投与において緩やかなエネルギー産生が確認されたことから、リフィーディングにおける栄養方法の選択がRFS発症に関与する可能性が示唆された。
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