2021 Fiscal Year Annual Research Report
Gut microbiota analysis on New Guinea Highlander's adaptation to protein-deficient diet
Project/Area Number |
18K17929
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
小川 亜紀 甲南女子大学, 医療栄養学部, 助教 (80612308)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低蛋白食適応機構 / インドネシア / 腸内細菌叢 / ニューギニア |
Outline of Annual Research Achievements |
ニューギニア島のTimika地域には、サゴヤシを主とする伝統的な低蛋白質摂取の食習慣をもつ民族が現存する。Timikaの市街地には、同じ民族でも米を主食とする現代の一般的な食生活をおくるようになった人々も居住している。本研究では、Timika地域に居住する、サゴヤシを主とする低蛋白質摂取の食習慣の男女25人(Sago群)について、身体組成、栄養摂取量、血液生化学検査値、腸内細菌叢を調査・分析し、Timika地域に居住する米を主食とする男女25人(Rice群)との比較検討を行った。 食事調査の結果、エネルギー摂取量はRice群とSago群で有意差はなかったが、Sago群の方が蛋白質摂取量は有意に少なく、炭水化物摂取量は有意に多かった。Rice群とSago群の間で、身体計測値、筋肉量、体脂肪量、エネルギー消費量などの身体組成に有意な差は認められなかった。血清アルブミン値は、Rice群とSago群で有意な差は認められず、両群とも正常値であった。Sago群は、低蛋白質摂取の食習慣であるにも関わらず、筋肉量や血清アルブミン値に低蛋白質栄養状態を示す所見は見られず、何らかの低蛋白質食適応機構の存在が示唆された。 血液生化学検査値の多変量解析(線形回帰分析)によって、Sago群ではMCV、Rice群ではヘモグロビン濃度と白血球数が、血清アルブミン値に影響を与えていることが示唆された。両群で血清アルブミン値を予測する因子が異なることは、正常な血清アルブミン値を維持するための適応メカニズムが両群間で異なる可能性を示唆すると考えられた。 腸内細菌叢の次世代シーケンスメタゲノム解析を行った。Sago群とRice群では腸内細菌叢が異なることが示唆された。両群間の腸内細菌叢の違いは、Sago群の低蛋白質食適応機構にも影響を与えている可能性が考えられ、詳細についてさらに解析しながら考察を進めている。
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Research Products
(3 results)