2020 Fiscal Year Research-status Report
座位行動から身体活動への置換がNAFLDに与える影響:客観指標による縦断疫学研究
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18K17930
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
角田 憲治 山口県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90718909)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 運動 / 座位行動 / 脂肪肝 / NAFLD / 非アルコール性脂肪肝 / 加速度計 / 人間ドック / 健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、約1200名の新規対象者(人間ドック受診者)に加速度計を配布し、ベースラインデータを厚くした。また、1から2年目の追跡調査を行った。 ベースラインデータに基づき、3次スプライン分析および組成データ解析(24時間に占める各行動の共依存性を考慮した分析)を取り入れた検討を行った。その結果、3次スプライン分析では、加速度計で評価した中高強度活動がおよそ1800 MET-分/週に達するまで非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD)の有所見率が大幅に減少し、その後も緩やかに減少を続けることを見出した。睡眠についても、量反応関係が見られ、睡眠時間が長い者は、NAFLDの有所見率が低かった。座位行動については、BMI未調整モデルにおいて、座位行動の増加とNAFLDの高い有所見率に量反応関係が認められたが、BMI調整後は、この関連性は認められなかった。このことから、座位行動とNAFLDとが関連する背景には、肥満が介在していることが示唆された。 組成データ解析では、座位行動や低強度活動を中高強度活動に置き換えることで、NAFLDの有所見率が低い値を示すことがわかった。この関連性は、BMIとは独立していた。ヒトが中高強度活動を実践するとき、等分の時間(座位行動や低強度活動)が減少するため、本結果は、より現実に近い知見といえる。なお、これら研究成果については、国際誌に投稿する直前まで研究が進んでいる。 2021年度は、追跡1から3年目の調査を行う。また、追跡データに基づく研究成果の発表に努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍においても人間ドックを通して、着実に対象者を追跡できている。 当初、構想に入っていなかった3次スプライン分析と組成データ解析を使えるようになったことで、研究の質としては上がっている。 2020年度の加速度計データは、コロナ禍における自粛の影響を受けているため、この年の対象をベースラインデータに組み込むことの可否については、これまでのデータと照らし合わせて十分に吟味しならなければならない。
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Strategy for Future Research Activity |
人間ドックを通して、着実に対象者を追跡する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で新規参加者のリクルートが困難である可能性があったため、加速度計の新規購入は見送った。当初購入予定であった分の加速度計については、次年度に購入する。また、各学会がオンライン開催や中止となったため、学会発表に必要な旅費等が執行できなかった。
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Research Products
(1 results)