2019 Fiscal Year Research-status Report
運動中の筋糖取り込み率を中心とした運動抵抗性メカニズムの解明
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18K17936
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
加賀 英義 順天堂大学, 医学部, 助教 (90814757)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インスリン抵抗性 / 運動抵抗性 / 異所性脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、運動中の肝糖放出率・骨格筋糖取り込み率の測定のための、グルコースの安定同位体の注入量の検討を行っている。一般的に、運動中はグルカゴンやカテコラミンの作用により、肝糖放出が増加し、その分、骨格筋糖取り込みも増加するので、血糖値は一定となる。どちらかのバランスが崩れると血糖は上昇し、運動抵抗性を示すこととなる。また、健常者における片足への血流は安静時には300-500ml/min 程度であるが、エルゴメーターによる中強度の運動中においては5,000-6,000ml/min程度まで上昇する。そのため、全身の血流量も変化することが予測され、安定した運動中の肝糖放出率・骨格筋糖取り込み率の測定には、グルコースの安定同位体の濃度がある程度一定である必要がある。そのため、運動強度や負荷時間により、グルコースの安定同位体の注入速度を変化させる必要がある。 その他の測定項目である、エルゴメーターによる最大酸素摂取量の測定、インピーダンス法またはDXAによる体重、体組成の測定、グルコースの安定同位体を使用した安静時の内因性糖産生の測定と2ステップ高インスリン正常血糖クランプによる臓器別インスリン感受性の測定、インスリンクリアランスの測定、1H-MRSによる肝細胞内脂質・骨格筋細胞内脂質の定量、内臓脂肪面積・皮下脂肪面積の測定に関しては、他の研究で継続して行っており、安定して測定できているため、問題ないと考えられる。さらに、運動効果の脳神経系の関与についての検討のため、神経生理学教室と共同でfMRIを用いての検査が可能か検討中である。また、現在までの結果を踏まえて、研究遂行のためのプロトコールを作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
運動中は全身の血流が変化するため、運動中の肝ブドウ糖糖放出・骨格筋ブドウ糖取り込みの測定のための、グルコースの安定同位体の注入量の検討に苦慮している。また、グルコースの安定同位体の濃度の測定は、検体採取後、処理した後に、高速液体クロマトグラフィーで測定しているために、研究から解析、解釈まで時間がかかってしまうことも、研究が遅れている要因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
運動中のグルコースの安定同位体の注入量の検討を行い、被検者のリクルートを行い、研究を進めていく。運動中の肝糖放出率・骨格筋糖取り込み率の測定が難しい場合は、運動を行った後に、内因性糖産生の測定と高インスリン正常血糖クランプを行うなどして打開策を練るようにして研究を進めていく。 また、神経生理学教室と共同で運動前後の中枢神経系の関与についても検討を行っていく。
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