2020 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration of the effective exercise for obesity/diabetes via the redox regulation system
Project/Area Number |
18K17937
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
都築 孝允 名城大学, 薬学部, 助教 (20780068)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 運動 / インスリン抵抗性 / ケルセチン / Nrf2 / Akt / レドックス制御 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動による肥満/糖尿病の改善効果におけるレドックス制御機構の役割を明らかにすることであった。 本年度は、Nrf2活性化作用が報告されているケルセチンの投与と運動トレーニングの併用が肥満/糖尿病の改善に与える影響を検討した。C57BL/6Jマウスに10週間、高脂肪食を給餌し肥満を誘導した後、週5日、8週間のケルセチン投与(50 mg/kg)と運動トレーニング(12 m/min、60分、傾斜10%)を実施した。その後、腹腔内インスリン負荷試験を実施し、全身性のインスリン抵抗性を評価したところ、ケルセチン投与と運動トレーニングの併用において、インスリン投与後の血糖値の低下が顕著であり、インスリン抵抗性の改善が見られた。 加えて、24週齢の雄性Nrf2遺伝子組換えマウス(野生型および欠損型)を用いて、インスリンを門脈から注入し、骨格筋および肝臓を摘出した。ウェスタンブロット法によりインスリンシグナル経路の主要な分子であるAktのリン酸化を分析することで、インスリン抵抗性を評価した。その結果、野生型マウスに比べて、Nrf2欠損マウスの骨格筋および肝臓において、インスリン刺激によるAktリン酸化は共に約20%程度有意に低い値を示した。 これらの結果より、レドックス制御機構の主要な分子であるNrf2はインスリン抵抗性改善のための分子標的となり得ると考えられ、さらにNrf2活性化剤と運動の併用はインスリン抵抗性を効果的に改善させる手段の一つとなる可能性が示唆された。
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