2018 Fiscal Year Research-status Report
ストレス耐性からみた大学生アスリートに対する心理サポート方法の探求
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18K17947
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
門利 知美 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (10781552)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハーディネス / レジリエンス / ストレス耐性 / ストレスマネジメント / 心理サポート方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ハーディネス(ストレスに対する性格特性)とレジリエンス(精神的回復力)の組み合わせのタイプ(①ハーディネス・レジリエンスともに高いタイプ、②ハーディネスは低く、レジリエンスは高いタイプ、③ハーディネスは高く、レジリエンスは低いタイプ、④ハーディネス・レジリエンスともに低いタイプ)によって心理的ストレス過程や、ストレス負荷時の身体反応表出とストレス状態からの回復力に違いがみられるのかを質問紙調査とストレス負荷実験から明らかにすることを目的とした。本研究では、ハーディネスとレジリエンスをストレス耐性と捉えている。 初年度の2018年度は、ハーディネスやレジリエンスを含めたストレス耐性と心理的ストレス過程や心理的・身体的ストレス反応などについての関係を明らかにするために健康心理学やスポーツ心理学の学会や研修会に参加し、有意義な知見を得ることができた。 2019年度は、当初の計画通り、質問紙調査と実験研究を開始する予定である。質問紙調査についてはすでにスタートしており、データの収集とデータ入力は滞りなく進んでいる。また、実験研究の準備にも取りかかっている。実験研究では、自律神経バランス、血圧、心拍数、唾液アミラーゼ濃度などの生理学的指標を測定するが、対象者に必要以上のストレス負荷がかからないように非侵襲性の測定機器での測定を計画している。 最終年度は、それまでに得られた研究成果を学会や論文投稿において発表する計画を立てている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、初年度に実験研究(2年目に実施予定)の対象者を募集する計画であったが、心理学的指標を測定する機器の納品に時間を要したためやや遅れているが、2019年度と2020年度で取り戻せる遅れである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、質問紙調査においてハーディネスとレジリエンスの2つの面を考慮したタイプ(①ハーディネス・レジリエンスともに高いタイプ、②ハーディネスは低く、レジリエンスは高いタイプ、③ハーディネスは高く、レジリエンスは低いタイプ、④ハーディネス・レジリエンスともに低いタイプ)によって心理的ストレス過程にどのような違いがあるのかについて明らかにするために、データを収集・分析中である。今後は、直接的なストレス(Trier Social Stress Test ; Kirschbaum et al, 1993)を受けた際に、ハーディネスとレジリエンスのタイプが心理学的・生理学的・行動学的指標と精神的・身体的回復力に及ぼす影響を明らかにするために実験研究を行い検討を進めていく。これらの調査や実験研究からハーディネスとレジリエンスのタイプによる違いが明らかになれば、大学生アスリートや一般人ひとりひとりに対する「ストレスマネジメント」に重きを置いたサポート方法の資料が得られることが期待できる。最終年度は調査研究および実験研究より明らかになった知見をまとめ、論文投稿や学会発表を積極的に行う。
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Causes of Carryover |
購入を計画していた機器を未購入であるため。また、参加を予定していた学会に参加できず、学会参加費や旅費等が不要となったため。 2019年度以降の使用計画は、実験での測定の際に対象者に負担がかからないように測定をスムーズに行う、待ち時間を少なくする等の理由から、現在すでに購入している機器(TAS9 VIEW(タスナインビュー))を追加購入する予定である。また、予定している学会へ参加し、学会参加費や旅費等に充てたい。さらに2019年度からは論文執筆に入っていく予定であるため、英文校正料等論文に関わる費用にも充てたい。
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