2019 Fiscal Year Research-status Report
Development of cognitive function evaluation method of the elderly and improving cognitive function with body performance
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18K17958
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
尹 之恩 筑波大学, テーラーメイドQOLプログラム開発研究センター, 研究員 (60813277)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 認知機能 / 高齢者 / アミロイドβ / 脳由来神経栄養因子 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
高齢者における正常な認知機能は質の高い生活の質（Quality of Life; QOL）が維持できるために、極めて重要な要素である。本研究では高齢者自身が自分の認知機能のレベルを常に自己判断できるように簡便かつ分りやすい認知機能評価方法を開発し、さらに、認知機能の低下が予防できる運動プログラムを提案することを目的とした。令和元年度には以下の2件の検証を行い、成果をまとめた。
①某県内在住の65歳以上の高齢者を対象とし、運動実践有無による認知機能状態を比較検証した。②特定認知機能予防運動プログラムの効果検証を行うため、平成30年度から令和元年度の期間中、65歳以上の女性高齢者を対象としてランダム化比較実践（48週間）を実施した。対象群は二重課題運動（頭を使いながら、同時に体を動かす運動）を実践し、対照群はウォーキングを行った。
いずれの群においても週2回、1回60分間行った。
検証に対するメインアウトカムは血中アミロイドβ（Aβ）および脳由来神経栄養因子（BDNF）であった。
分析内容：①運動実践有無及び実践運動種類別の血中Aβ及びBDNFの濃度を比較検証した。②48週間の二重課題運動実践が血中Aβ及びBDNFの濃度変化に及ぼす影響について対照群（ウォーキングのみ）との比較検証により調査した。その結果、特定認知機能予防運動プログラムを常に実践している高齢者の血中Aβの濃度と非実践運動群の濃度変化は有意な差が認められた。また、介入研究ではウォーキングのみを実践した群より特定認知機能予防運動プログラム（二重課題運動）を実践した群の変化率が有意に高いことが判明された。しかし、BDNFに関してはいずれの群においても有意な差は見られなかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実施計画に予定していた各項目に対するデータ収集及び分析が順調に進んでいる状況である。
その①、大規模横断研究及び介入研究において、定期的な二重課題運動（運動種目・実践頻度別）の実践が認知機能及び血中アミロイドβやBDNFの濃度に及ぼす影響について生化学分析方法を用いて測定を行った。その結果、高齢者に対する運動種目別の認知機能が有意に異なることが明らかになり、その成果の一部を2019年度国際学会にて報告した。さらに、参加者の血中アミロイドβやBDNF濃度の結果は現在、分析中である。
その②、新規認知機能評価装置の精度を検証するため、その装置を用いて大規模調査を実施した。参加者の認知機能の程度を調べるために、血中アミロイドβおよびBDNFの濃度との関連性を検証した。その詳細については現在解析中である。
以上のように、今年度には予定していたデータの収集を終え、得られた結果の解析、まとめなどは進行中である。
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| Strategy for Future Research Activity |
これからは、高齢者を対象にして参加者らの定期的な二重課題運動の実践が認知機能及び血中のアミロイドβやBDNFの濃度に及ぼす影響を検討する。その中では運動別に層別（性別、年齢、実践期間、実践頻度）の違いなどの検討も行い、高齢者の認知機能低下予防に向けた「運動ガイダンス」の作成に取り組む予定である。また、新認知機能評価装置により早い段階で、認知機能を把握、予防までできる「簡便かつ楽しくできる認知機能低下予防対策案」を作成する予定である。
本研究のすべての成果は、国際・国内学会や原著論文として、報告する。
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