2020 Fiscal Year Research-status Report
食事中の脂質源の違いがGIP分泌の差を介して生体内に及ぼす長期的作用の検討
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18K17962
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松永 恵里奈 (城尾恵里奈) 京都大学, 医学研究科, 特定医療技術職員 (40737871)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | GIP / インクレチン / 魚油 / 肥満 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Gastric inhibitory polypeptide (GIP)は、食事摂取によって小腸から分泌される消化管ホルモンである。高脂肪摂取はGIP分泌を強く刺激し、慢性的なGIPの過分泌は肥満やインスリン抵抗性を助長する。本研究は、慢性的な食事中の脂質源の違いが及ぼす脂肪蓄積やインスリン抵抗性の差に、GIP分泌の差がどの程度、どのように寄与するのかを明らかにすることを目的としている。今年度は、主たる油脂源をそれぞれ魚油・ラード・オリーブ油とした3種類の45kcal%脂肪食(魚油食・ラード食・オリーブ油食)を野生型マウス(WT)およびGIP欠損マウス(KO)へ長期負荷し、表現型の解析を進めた。KO-魚油食群は、KO-ラード食群やKO-オリーブ油食群に比べ、随時血糖値・随時インスリン値・糖負荷後のインスリン値・インスリン負荷後の血糖値・皮下脂肪重量・内臓脂肪重量が有意に低値であった。また、KO-ラード食はWT-ラード食と比べ、随時インスリン値・糖負荷後のインスリン値・インスリン負荷後の血糖値・皮下脂肪重量・内臓脂肪重量・肝臓重量が有意に低値であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
野生型マウスをGIP欠損マウスへの高脂肪食負荷における表現型の解析と試料の採取が順調に進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
長期高脂肪食負荷で採取したマウスの肝臓及び脂肪組織のmRNAを用いてマイクロアレイ解析を行い、これまでに得られた表現型と共にデータを比較解析し、慢性的な食事中の脂質源の違いが及ぼす脂肪蓄積やインスリン抵抗性の差に対するGIPの寄与を明らかにする。
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Causes of Carryover |
産前産後休暇・育児休暇により研究を1年中断していたため。次年度は、マウスへの長期高脂肪食負荷で得た試料の分析や本研究の論文投稿に使用する。
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