2018 Fiscal Year Research-status Report
下腿周囲径計測によるサルコペニア簡易評価の臨床的意義と確立への展開
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18K17982
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川上 諒子 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師(任期付) (50617818)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サルコペニア / 筋量 / 身体組成 / 形態計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアは、「加齢に伴う筋量や筋力の低下」と定義されている。超高齢社会に突入した我が国において、要介護リスクであるサルコペニアを早期に発見し、予防・改善の対策を行っていくことは重要である。しかしながら現在、国民がサルコペニアか否かを一般的に判別できるような環境は整備されていない。 本研究課題では、下腿周囲径計測によるサルコペニア簡易評価の臨床的意義とその確立に向けた研究の実施を目的とし、課題①:肥満や下腿浮腫等どのような特性を有する対象者であっても下腿周囲径計測によりサルコペニアの評価が可能かを検討するとともに、課題②:誰もが使用可能で、より高精度なサルコペニア簡易評価のための推定式の開発を目指す。 本研究では、大学同窓生を対象とした大規模コホート研究の参加者のうち、大学施設で実施する健康診断・体力測定に参加可能な中高齢者を対象に検討を行う。初年度の2018年度においては、研究計画どおりに測定の遂行に従事し、対象者のリクルート等のマネージメントを実施するとともに、データ入力・整備を行い、研究協力者とともに測定の流れを確立してきた。実際に、2018年度では215人の測定を実施し、これまでに総計1,168人の測定が問題なく完了している。2019年度においては、昨年度に引き続き測定遂行に従事するとともに、段階的にデータ解析を進めていく予定である。 2018年度は、課題①の肥満者であっても下腿周囲径計測によりサルコペニアの評価が可能かを検討した。その結果、肥満者(男性r=0.81、女性r=0.69)および非肥満者(男性r=0.76、女性r=0.78)のいずれにおいても正の相関関係が認められ、肥満状況にかかわらず、下腿周囲径は筋量の簡易評価に適用できる可能性が示唆された。本研究成果は、第6回日本介護予防・健康づくり学会大会において研究発表を行い、若手奨励賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画とおり、測定の遂行に従事し、データ管理方法や測定の流れを確立することができている。さらに、課題①の研究成果を学会大会において発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目となる2019年度は、昨年度に引き続き測定遂行に従事するとともに、段階的にデータの解析を行い、研究成果を発信すべく国際学術誌への投稿に向けて論文執筆に従事する。
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