2019 Fiscal Year Research-status Report
ミラクルフルーツ抽出物の肥満予防効果に関する基礎的研究~実験及び疫学的アプローチ
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18K17984
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
山本 純平 麻布大学, 生命・環境科学部, 助教 (20756043)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 食品機能 / 肥満 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は脂肪細胞の肥大化によって惹き起こされる。近年、脂肪細胞への脂肪蓄積や肥大化は脂肪滴表面タンパク質によって制御されることが解明され、脂肪滴表面タンパク質は肥満の病態形成に重要な役割を担うことが示唆されている。さらに、主要な脂肪滴表面タンパク質であるペリリピンを欠損するマウスでは、脂肪組織重量の減少や脂肪細胞サイズの減少が見られ、肥満に抵抗を持つことが報告されており、脂肪滴表面タンパク質を制御することは肥満の予防・改善に繋がると推察される。本研究では、ミラクルフルーツ抽出物の脂肪滴表面タンパク質を介した脂肪細胞肥大化制御メカニズムを解明し、その肥満予防効果を呈する可能性について検討を行っている。 本年度は、マウス由来脂肪前駆細胞を使用し、ミラクルフルーツ抽出物が脂肪細胞の分化におよぼす影響について検討した。その結果、ミラクルフルーツ抽出物は顕著に脂肪前駆細胞から成熟脂肪細胞への分化を抑制し、脂肪蓄積を減少させた。加えて、脂肪的表面タンパク質であるペリリピンの発現を抑制した。また、その活性本体としては、少なくともミラクルフルーツ中に含まれる特徴的な成分である味覚修飾タンパク質ミラクリンではない可能性が示唆された。一方で、ミラクルフルーツ抽出物は、蓄積した脂肪を分解する脂肪分解には寄与しない可能性が培養細胞レベルで示唆された。次年度は、ミラクルフルーツの抗肥満作用について、肥満誘導モデルを使用した動物試験によって検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度の検討によって、ミラクルフルーツ抽出物による脂肪蓄積抑制メカニズムを、培養細胞レベルで一定程度見出すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスによる緊急事態ならびにその感染拡大防止により、施設利用や研究実施体制に大幅な制限がかかっているため、研究遂行の遅延が予想される。状況を注視しつつ、臨機応変な対応としたい。
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Causes of Carryover |
初年度に購入の必要のなくなった設備備品等があり、その繰り越し分があったため。 次年度使用額については、試薬類、プラスチック消耗品の購入に使用するほか、新型コロナウイルスによる研究実施環境の変化に対応する用途として使用する予定である。
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