2019 Fiscal Year Research-status Report
嚥下モニターを用いた、至適嚥下調整食提供システムの探索
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18K17989
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
永見 慎輔 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (60744042)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 咀嚼・嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、呼吸と嚥下の協調性障害がCOPD増悪の有意な危険因子であることを報告した。これまでのフォローアップ調査として、同様の患者を対象に初回評価後3年間の予後調査を実施した。非侵襲的な嚥下モニタリングシステムを用いて、20名の患者に、吸気時嚥下(I-SWパターン)と吸気直後嚥下(SW-Iパターン)の異常パターンが高率(25%以上)に認められたが、3年後は5名の患者がフォローアップ出来なかった、14名の患者が予後不良となった。予後不良の患者では、異常パターンが有意に高かった(25.0%対13.0%、p<0.05)。また、予後不良の患者では肺機能が有意に不良であった。重回帰分析により、陽性の協調性(25%以上)が予後不良の独立因子であることが明らかになった。また、25名の患者を対象に同様の方法で呼吸-嚥下協調のフォローアップ評価を行ったところ、わずかではあるが有意な改善が認められた。その結果、呼吸-嚥下協調は14%から0%に改善したが、有意な改善は認められなかった(p=0.06)。COPD患者の予後を左右する重要な因子として、呼吸と嚥下の協調性が挙げられる。しかし、呼吸と嚥下協調性は長期間安定した状態が続いた後に若干回復することがあり、予後を予測するサインである可能性がある。全てのデータ取得を終え、学会等で報告した。現在論文を執筆中である。国内外の学会にて発表し、追加のデータ取得も終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究当初に立案した計画の通り、進捗している。データ測定および解析に難渋したが、目標は達成した。現在、論文投稿段階に至っており、本年度中にパブリッシュされれば研究修了とする。
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Strategy for Future Research Activity |
呼吸と嚥下の整合性を評価することによって、患者の病態悪化を未然に予防出来る可能性がある。これまでの検証で嚥下モニタリング装置で得られるデータの特性が明らかになった。今後は対象を変更し、フレイル、サルコペニアの症例について検討する必要がある。そして、姿勢、骨格筋量、筋力等のデータを反映し、さらに優れた評価方法にしていきたい。
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Causes of Carryover |
予定していた備品を一部購入する必要がなくなったため、次年度使用が生じた。 令和2年度は姿勢評価に関連する追加実験が必要である。測定するための機材と測定後の解析で使用する機材が必要になる。また、コロナウイルスの影響によって、移動等に制限が発生し、研究が進捗しないことが想定される。遠隔会議ツールやWeb会議を行い、研究速度に影響が出ないように心がけたい。
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Research Products
(6 results)