2022 Fiscal Year Research-status Report
On Exact Algorithms for Branching Program Satisfiability Problems by Approaches for Proving Lower Bounds
Project/Area Number |
18K18003
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
照山 順一 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 助教 (40709862)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 充足可能性問題 / 分岐プログラム / k-CNF / k-Sub-SAT |
Outline of Annual Research Achievements |
分岐プログラムの充足可能性問題とは,与えられた分岐プログラムが値1を出力するような変数入力(0/1割当)が存在するかどうかを判定する問題である.与えられる分岐プログラムに制限がない場合,総当たり探索よりも高速なアルゴリズムは知られていない.本研究では,未解決問題である計算量クラスNEXPとNC1の分離を導くため,幅限定分岐プログラムに焦点をあて総当たり探索よりも高速な充足可能性判定アルゴリズムの開発を目標としている. 本年度は,k-Sub-SAT問題に対するアルゴリズムを設計することで,幅2分岐プログラムに対する充足可能性判定アルゴリズムの性能改善に成功した. k-Sub-SAT問題とは,入力としてk-CNF論理式(節の大きさが高々kであるCNF論理式)と2を法とする連立線形方程式が与えられ,その両方を満たす変数割り当てが存在するかを判定する問題である.この問題はk-SATを含む問題あり,kが3以上の場合はNP完全であることは明らかであるが,k=2においてもNP完全であることが知られている.既存研究では,k-Sub-SAT問題に対して全割当よりも高速な充足可能性判定アルゴリズムとして,指数領域決定性アルゴリズムや多項式領域乱択アルゴリズムが知られている.本研究では,k-Sub-SAT問題に対する多項式領域決定性アルゴリズムの開発に成功し,既存の多項式領域乱択アルゴリズムの計算時間とほぼ同等の性能を達成した. さらに,このアルゴリズムをサブルーチンとして用いることにより,幅2分岐プログラムの充足可能性問題に対して,サイズが2乗に近い場合まで非自明な計算時間を達成する多項式領域決定性アルゴリズムが得られた. 現在,本研究成果に関して論文投稿準備中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに線形サイズの幅2分岐プログラムに対する充足可能性判定アルゴリズムの設計に成功していたが,本年度は2乗に近いサイズまで対応可能となった.多項式サイズの幅2分岐プログラムに対する充足可能性判定アルゴリズムの設計に向けて,確実に進捗が得られている.
|
Strategy for Future Research Activity |
共同研究者と綿密な打ち合わせを行い,国際会議投稿および学術雑誌投稿に向けて準備を進める予定である.
|
Causes of Carryover |
国内研究打ち合わせ予定について学内運営業務と都合がつかず計画通りに行えないものがあった.予定していた打ち合わせについて,再度日程調整し執行する予定である.
|