2020 Fiscal Year Research-status Report
等分散性が崩れたデータや欠測値を含むデータにおける推測理論の構築及びその応用
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18K18014
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| Research Institution | Tokyo University of Science |
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Principal Investigator |
川崎 玉恵 東京理科大学, 理学部第一部応用数学科, 助教 (30778212)
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| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 多変量解析 / 統計的仮説検定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では，多変量解析において，平均ベクトルに関する仮説検定問題に対し，データに欠測値を含んでいる場合の統計的推測理論の構築や，2つの母集団分布における母共分散行列が母集団間で等しくないことを仮定した問題（多変量ベーレンス・フィッシャー問題）について研究を行っている．
欠測値を含むデータに関する研究では，欠測構造のひとつである2-step単調欠測データを仮定し，１標本問題における検定統計量の帰無分布として，F分布の自由度を調整した近似帰無分布の導出を議論した．
また，欠測値を含むデータを仮定した下での条件付き平均ベクトルの仮説検定問題についても，線形補完による検定統計量の近似帰無分布を議論した．
さらに多変量ベーレンス・フィッシャー問題については，まずは部分平均ベクトルの検定問題についての検定統計量とその近似帰無分布を議論した．Bennett型の検定統計量を用いており，サンプル数が２つの母集団間で等しい場合と等しくない場合を分けて議論した．また，データに2-step単調欠測データを仮定したもとでのBennett型の検定統計量も構成し，その帰無分布についても議論した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度においては，新型コロナウイルスの影響が大きく，通常時に比べて本研究課題に着手する時間を確保しにくい状況であった．
欠測値を含むデータに関する研究では，欠測構造のひとつである2-step単調欠測データを仮定し，１標本問題における検定統計量の帰無分布として，F分布の自由度を調整した近似帰無分布の導出を提案したが，小規模なシミュレーションを行った結果，近似精度がよくないことが分かった．原因について議論し，帰無分布の構成方法を修正し直して，現在導出途中である．また，欠測値を含むデータを仮定した下での条件付き平均ベクトルの仮説検定問題についても，線形補完による検定統計量の近似帰無分布を議論し，これらの結果を現在まとめているところである．今後大規模なシミュレーションを行い，その近似精度について議論していく予定である．
また，多変量ベーレンス・フィッシャー問題については，まずは部分平均ベクトルの検定問題についての検定統計量とその近似帰無分布を構成し，その結果をまとめている．さらに欠測値を含んだ場合の検定統計量とその近似帰無分布についても現在議論しているところである．
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| Strategy for Future Research Activity |
2021年度では，現在計算途中である結果の導出を行い，仮定を整理し，その結果をまとめていく．さらに，大規模なシミュレーションや数値実験は，どの研究課題もまだ行っていないため，シミュレーション等を通して，数値的な検討をし，提案結果の有効性について議論を行っていく．
得られた一連の成果をまとめたのち，学会発表を通じて広く配信し，さらに論文を作成して国際学術雑誌に投稿する予定である．
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| Causes of Carryover |
購入予定であった数値実験及び論文作成用のパソコンであるが，現時点の研究内容ではまだ大規模な数値実験等を行う予定がなかったため，購入を見送った．
また，2020年度は新型コロナウイルスの影響で，国際会議の多くが延期や中止となったため，出張旅費の支出がなかった．
2020年度は多くの理論的結果が得られたため，2021年度では大規模なシミュレーションを行い，その結果を論文にまとめていくためPCの購入を行うとともに，オンラインで開催される国際学会での発表も行いたいと考えている．また，論文作成も行うため，英文校正代もかかる予定である．
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Research Products
(2 results)
