2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K18015
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石井 晶 東京理科大学, 理工学部情報科学科, 講師 (20801161)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高次元データ解析 / 強スパイク構造 / 判別分析 / 幾何学的表現 / スパイク構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
4年目である2021年度は、強スパイク固有値モデルをもつ高次元小標本データの判別分析について、新たな分類手法を与えた。2つの群の差異を、高次元平均ベクトルと高次元ノイズ構造の差異によって抽出した。その際、強スパイク固有値モデルに属する高次元小標本データは、巨大なノイズによって平均間の差異が潰されてしまい正しく判別することが不可能となる。そこで、データ変換をするというアイディアで巨大なノイズから平均間の差異を取り出すことに成功した。さらに、巨大なノイズの構造を精密に評価することで、高次元データの幾何学的表現をノイズ構造に適用し、2つの群の差異をノイズ構造の幾何学的表現の差異によっても抽出することに成功した。これにより、たとえ2つの群の平均間に十分な差異がない場合でも、そのノイズ構造の差異によって判別することができる。 提案手法は、高次元において理論的に誤判別率がゼロになるという高い精度を保証する。また、提案手法の有用性を、先行研究の判別手法と比較しながら、シミュレーションだけでなく遺伝子発現データによる実データ解析でも示した。論文では、先行研究との使い分けについても言及し、応用面での使いやすさにも目を向けている。 本研究成果は学術論文として纏められ、Journal of Multivariate Analysisの招待論文として出版されている。研究成果報告として、国際会議の招待講演で口頭発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強スパイクするノイズ構造を精密に評価し、高次元データの幾何学的表現をノイズ構造へ適用することで、判別性能を向上させることに成功した。これを、遺伝子発現データ等とは異なるタイプの高次元データに応用することで、新たな成果を得ることが期待されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
変数だけでなく、標本同士に相関をもつような高次元データのノイズ構造を精密に評価し、その幾何学的表現を得る。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症での国内・国際会議のオンライン開催によって、予定されていた旅費がかからなかったため。次年度以降に取り組む課題を円滑に進めるため、計算機の性能の向上や計算ソフトのオプション追加に使用する。
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Research Products
(8 results)