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2019 Fiscal Year Research-status Report

計算統計のための擬似乱数と準モンテカルロ法の研究

Research Project

Project/Area Number 18K18016
Research InstitutionRitsumeikan University

Principal Investigator

原瀬 晋  立命館大学, 理工学部, 嘱託講師 (80610576)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
Keywords擬似乱数 / モンテカルロ法 / 準モンテカルロ法 / マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 統計計算 / ベイズ統計学
Outline of Annual Research Achievements

マルコフ連鎖モンテカルロ法の期待値計算において、通常の準乱数はそのまま適用できない。スタンフォード大学のOwen教授らは、CUD列と呼ばれる特殊な点列を用いると、準モンテカルロ法が適用できることを、理論的に示した。ここで、計算機上でのCUD列の実装が問題となる。Owen教授らは、均等分布性を最適化した短い周期のTausworthe発生法を準備し、一周期使い切った際に現れる格子構造を利用して、CUD近似点集合として使用する実装方法を提案した。本研究では、一様性の評価指標として、より高い収束性を保証する(t,m,s)-netのt-値により、Tausworthe法を最適化する。昨年度までに、正則連分数展開に基づき、2次元のt値が0(最適値)、3次元以上でも小さいt値となるパラメータの探索プログラムを作成した。
当該年度は、プログラムを整理して、周期2^m-1のTausworthe法について、m=10,...,32までのパラメータを全数探索し、パラメータ表を作成した。また、点列生成のプログラムを、Tausworthe法の定義式から、F2-線形擬似乱数発生法の状態空間表現を用いたアルゴリズムに書き直して、生成速度の高速化を図った。加えて、2次元正規分布ギブスサンプラーの例での有効性を、散布図により可視化した。これらの結果を論文として執筆し、投稿した。合わせて、国内の学会、研究集会、セミナーで、口頭発表を行った。
さらに、上記のTausworthe法をR言語で使えるように修正し、ベイズ統計学への応用を試みた。特に、Gelfand-Smithによる階層ベイズモデルの問題(ポンプの故障データ)に適用し、先行研究の方法よりも、収束精度が向上することを確認した。その結果、より高次元の問題に対しても有効なことが分かってきた。引き続き、数値実験を続けている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究課題の中核をなす論文が完成し、投稿した。また、ベイズ統計学の問題に適用し、予想以上の手ごたえを得ることが出来た。Owen教授からも好意的なコメントを頂けた。MCMC法による具体的なベイズ統計計算を行っているうちに、既存の擬似乱数、準乱数の不満足な点や必要な機能が見えてきて、新しい研究課題が複数見つかった。総合的に見て、おおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本研究は、実用化の段階に来たと言える。そこで、いままでの研究成果をライブラリ・パッケージの形で、ソフトウェアとして実装して、使える形にまとめたい。合わせて、実データを用いた様々なベイズ統計学の問題に適用して、続編の論文としてまとめたい。
もう一つ、擬似乱数に関する課題として、研究代表者と木本貴光氏は、64ビット整数出力で、上位ビットの高次元均等分布性が完全に最適化されたメルセンヌツイスタ型擬似乱数発生法を開発し、2018年、ACM TOMS誌に掲載された。この発生法は、区間(0,1)上の倍精度浮動小数点数の出力を念頭に置いて開発された。現在、C言語のみの実装となっているが、研究成果を社会に公表するために、R言語やPythonなど、統計計算で使われる言語に移植し、実務家に向けた分かりやすいホームページを作成したいと考えている。

Causes of Carryover

理由:大学での授業を優先し、授業期間中の海外出張を控えた。また、コロナウイルスにより、春休み中に予定していた学会参加がすべてキャンセルとなった。このための予算を繰り越した。
使用計画:計算機実験を行うための高性能パソコンを購入する。合わせて、周辺機器を購入し、計算機環境を整える。

  • Research Products

    (6 results)

All 2020 2019 Other

All Presentation (5 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] マルコフ連鎖準モンテカルロ法のための短い周期のTausworthe発生法2020

    • Author(s)
      原瀬晋
    • Organizer
      立命館大学数理ファイナンスセミナー
  • [Presentation] マルコフ連鎖準モンテカルロ法のための短い周期のTausworthe発生法2019

    • Author(s)
      原瀬晋
    • Organizer
      JCCA-2019・ 離散数学とその応用研究集会2019
  • [Presentation] 正則連分数展開に基づく短い周期のTausworthe発生法2019

    • Author(s)
      原瀬晋
    • Organizer
      日本応用数理学会2019年度年会
  • [Presentation] マルコフ連鎖準モンテカルロ法のための短い周期のTausworthe発生法2019

    • Author(s)
      原瀬晋
    • Organizer
      2019年度統計関連学会連合大会
  • [Presentation] マルコフ連鎖準モンテカルロ法のための短い周期のTausworthe発生法2019

    • Author(s)
      原瀬晋
    • Organizer
      第1回「乱数・準乱数の数学」研究集会
  • [Remarks] マルコフ連鎖準モンテカルロ法のための短い周期のTausworthe発生法のパラメータテーブル

    • URL

      https://github.com/sharase/cud

URL: 

Published: 2021-01-27  

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