2018 Fiscal Year Research-status Report
Exploiting High-Bandwidth and Large-Capacity on Hybrid Main Memories through Pattern-Aware Optimization
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18K18021
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有間 英志 東京大学, 情報基盤センター, 特任助教 (50780699)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ハイブリッドメモリ / データマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、計算機システム、特にスーパーコンピュータ等の高性能計算機システムにおけるメインメモリを対象とし、その高バンド幅化・大容量化の両立を目的としてハイブリッドメインメモリアーキテクチャに焦点を当て、その上でのデータ転送制御をソフトウェア・ハードウェアの両面から最適化することにより、飛躍的な性能向上を図る。具体的には次のアプローチからなる: (1)アクセスパターンごとの実効バンド幅の差異に着目したデータ転送最適化法; (2)コンパイラ・ランタイムシステムによる提案手法の半自動化; (3)ハードウェア・システムソフトウェアの協調制御による提案手法の実現。2018年度は、(1)及び(2)について研究を実施しており、特にTechnical University of Munichとも国際的に連携しながらこれを行なった。具体的な研究手順及び成果は以下の通りである: (a)データ転送によって得られる性能向上及びオーバーヘッドについてアクセスパターンに応じて評価; (b)評価結果に基づき、パターン適応型ステージングと呼ぶデータ転送最適化手法を提案; (c)これを実現するため、コンパイラによる実行時アドレスサンプリング手法を提案; (d)ブルームフィルタを用いたサンプルアドレスのパターン識別手法を提案; (e)識別パターンに応じてデータ転送を最適化するための評価関数の作成; (f)提案手法を様々なHPCカーネルを用いて高性能プロセッサ(Knights Landing)上で評価し、既存手法と比較して約3倍の性能向上を達成。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
著名な国際会議での論文採録には至らなかったものの、研究自体は当初の計画通りに進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度も、著名な国際会議での論文採録を目標とし、引き続きTechnical University of Munichとも国際的に連携しながら研究を実施する。具体的な実施内容としては、まず、DRAMメモリに加えてOptane DIMM等不揮発性メモリを有するシステム上での提案手法の評価が挙げられる。次に、現時点ではHPCカーネルを用いた評価に留まっているが、より広域で実アプリケーションに近いベンチマークを用いて評価を行う予定である。さらに、提案手法のアプリケーションへの適用は、現時点ではハンドコーディングによって実装しているため、この部分をコンパイラによって自動化する予定である(手法自体は提案済みである)。さらには、OSやマイクロアーキテクチャによるアプローチについても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額については、国際会議参加のための費用(旅費及び参加費、2回分)に充てる予定であったが、2018年度での論文採択には至らなかったため、これらに不参加となり、未使用となった。 2019年度では、国内・国際会議参加のための費用、または、国際共同研究先であるTechnical University of Munichの訪問及び滞在費として使用する。
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