2021 Fiscal Year Research-status Report
Adaptive Replica Relocation of Geo-replicated State Machines on Public Cloud
Project/Area Number |
18K18029
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中村 純哉 豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60739746)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BFTレプリケーション / 耐ビザンチン故障 / パブリッククラウド / ビザンチン合意 / 地理的分散 / 分散システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,パブリッククラウド上に構築される地理的分散BFTレプリケーションにおいて,レプリケーションを構成するレプリカの位置(リージョン)を動的に再配置することにより,効率的なレプリケーションを実現する手法の開発を目的とする.
地理的分散BFTレプリケーションにおけるレプリカ位置の動的な再配置では,レプリカが持つサービス状態の転送処理が必要になる.状態転送処理中はレプリケーションにおけるリクエスト処理性能が低下することから,転送処理にかかる時間を短縮することは,レプリケーション全体の効率を高めることに繋がる.地理的分散BFTレプリケーションでは,レプリカ間の通信帯域が大きく異なる.そのため,既存研究にて提案された状態転送手法をそのまま使っても効率のよい状態転送はできない.
2021年度は,昨年度に考案した状態転送手法を発展させた新しい転送手法を開発した.この手法は,通信帯域を常にパッシブに推定することで,レプリケーション中に発生するレプリカ間の通信帯域の変動に対応する.パブリッククラウドを用いた評価実験において,提案手法は既存手法と比べて状態転送時間を最大47%短縮できることを確認した.本成果については,国際会議CANDAR2021で発表し,Outstanding Paper Awardを受賞した.また,提案した状態転送手法を使って,ネットワークの状況に応じてレプリカの配置をレプリケーション中に動的に変更することにより,ネットワークの変化に追従してレプリケーションの効率を維持・改善できることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国際会議SRDSW2019および国際会議CANDAR2021で発表した研究成果を論文誌に投稿する予定であったが,評価実験の遅れおよび論文誌の投稿スケジュールが変更となったことから目標を達成できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で得られた成果をジャーナル論文として投稿し,論文誌への掲載を目指す.本報告執筆時点(2022年5月)では,1本は評価実験が完了し,論文誌への投稿も完了した.もう1本は日本語によるドラフトが完成した状況であり,最終年度である2022年度中に計画は達成できる見込みである.
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Causes of Carryover |
【理由】 想定よりも少ないパブリッククラウド利用料で評価実験を行えたため,次年度使用額が生じた. 【使用計画】 研究費残高については,本研究課題によって得られた成果を論文としてまとめるために必要となる英文校正費用等に利用する.
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