2018 Fiscal Year Research-status Report
組合せ最適化に基づく電力割当制御システムのボトムアップによる広域化と高機能化
Project/Area Number |
18K18037
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森本 尚之 三重大学, 地域人材教育開発機構, 講師 (40739447)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 電力割当制御システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,組合せ最適化に基づく電力割当制御を複数家庭・コミュニティレベルに広域化し,さまざまな分散型電源の活用や家庭間・地域コミュニティ間の電力融通による高機能な電力割当制御を実現するシステムを構築することであり、個々の家庭の利便性や電力消費の効率化と,複数家庭・コミュニティ全体の高機能化・効率化を両立することを目指す。本研究課題では下記の三つのトピックを扱う。 1) 電力割当スケジューリングの組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築、2) 電力需給の変動への動的対応の組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築、3) 集約・階層化のスケールに応じた電力消費効率化と計算効率とのトレードオフの明確化。初年度である2018年度は、主に1)と2)について予備的な検討を行った。特に、現実の電力消費機器を用いて測定した消費電力データを活用し、電力を消費するタスクの開始時刻・終了時刻や、時間帯ごとに動的に変化する利用可能な電力の上限などといった制約下での最適スケジューリング問題をモデル化し、線形計画ソルバーSCIPを用いた試験的な評価を行った。また、電力割当制御システムを集合住宅やコミュニティのレベルへと今後拡張するにはスケーラビリティが重要となるため、ローカルの計算機だけでなくクラウド計算資源の活用についても予備的な検討を行った。加えて情報処理学会の関連学会などにおいて、本研究と関連するスマート家電プロトコルや家電制御システムの最新の技術動向を調査した。次年度以降に本格的な評価実験を行うためには、システム構築にあたって実用的な計算時間でスケジューリングが完了することが重要であり、モデル化の改良や実装の工夫などのさまざまな改善が必要であるため、2年目の早い時期に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、初年度は電力割当スケジューリングの組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築、および電力需給の変動への動的対応の組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築について予備的な検討を行ったが、実際の評価実験を行うには定式化や実装のさらなる工夫が必要であることが判明し、当初の計画よりはやや遅れている。2年目の早い時期に取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、本研究課題では下記の三つのトピックを扱う: 1) 電力割当スケジューリングの組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築、2) 電力需給の変動への動的対応の組合せ最適化問題としての定式化とアルゴリズム構築、3) 集約・階層化のスケールに応じた電力消費効率化と計算効率とのトレードオフの明確化。これらの課題設定やアプローチについて当初計画からの変更はなく、2年目は国際会議や論文誌での論文発表などの成果発信を目指す。
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Causes of Carryover |
当初の計画では情報収集または成果発表のための海外出張旅費を計上していたが、研究の進捗状況および国際会議の開催スケジュールを考慮して、初年度は海外出張を行わず2年目以降に変更する方が適切であると判断した。したがって、次年度使用額は主に対外発表の充実のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)