2018 Fiscal Year Research-status Report
計測装置におけるセキュリティ要件の解明と対策技術の開発検討
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18K18050
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60732336)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 計測セキュリティ / センサセキュリティ / ToF方式センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の前半においては、安価で測定環境が構築可能な超音波距離センサに関して、従来の測定タイミングを模擬するなりすまし攻撃に耐性を持つ、変調を用いたアナログ信号情報を使った対策手法を提案した。本手法により、自身の出力する信号にアナログ信号的特徴を付与することによりなりすまし攻撃の難易度が高まることが明らかとなった。
また、測定環境構築に付随して、測定を行うセンサ自体から発生する電磁雑音に、測定を行うタイミング情報が含まれることを明らかにした。これは、センサが測定している範囲を超えてタイミングを取得できる可能性を示しており、その場合センサ自体が攻撃者を認識することが困難となる。そこで、電磁波によるなりすまし攻撃の検討を超音波距離センサ及び同様の飛行時間式距離測定を行うLiDARに対して基礎検討を行い超音波センサと同様に電磁波により測定タイミングを取得である結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、安価で再現のしやすい飛行時間式距離測定センサである超音波距離計を対象に攻撃評価のための評価環境構築を目標に掲げ、評価環境の構築を終え、さらに、超音波を発する際に変調を用いることで攻撃者に模擬の困難な送信波の基礎検討を進め、おおむね良い成果を得られている。また、来年度の目的であるアナログ信号の特徴量についても電磁波工学の観点から検討をすすめており、電磁波から測定タイミングを得るという新たな着想を得た。また、今年度対象とした超音波距離計以外にも飛行時間式距離測定方式に共通する事象であるため対象を拡張できる可能性を示した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度作成したToF方式へのなりすまし攻撃環境を使用し、測定に用いる信号にアナログ信号的特徴を付与し自身の発した信号を判別する手法について検討する。また、それらのアナログ信号に付随した情報を利用したより効果の高いシステムレベルでの対策手法の確立を目指す。さらに、今年度明らかにした電磁波による動作タイミング取得の可能性について、電磁波の発生源である回路及び配線パターンなどのボードの構成などの原因について検討し、環境電磁工学の分野における対策手法の検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初実験における消耗品が当初の予定より少なく済み、さらに残予算が少額のため不必要な支出を避け次年度に合算して必要な消耗品の購入に使用する。
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