2019 Fiscal Year Annual Research Report
Efficient Lattice Basis Reduction Algorithm Based on Probabilistic Analysis
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18K18054
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
照屋 唯紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (20636972)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 格子暗号 / 統計 / パラメトリック推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近,他の研究グループにより,射影格子ふるいと格子基底簡約を組み合わせたアルゴリズムが提案され,SVP Challengeにおいて世界記録が達成された.射影格子ふるいは,射影空間で得られた短いベクトルを元の空間に変換することで短い格子ベクトルを探索する.格子ふるいによる求解には膨大なメモリ量を要するため,以前までは高次元の格子問題の求解は困難と考えられていたが,射影による次元削減と格子基底簡約を組み合わせることにより,大きく性能を向上できることが明らかになった.射影格子ふるいの処理において,射影された格子ベクトルを元の空間に変換する際,Babai liftと呼ばれるアルゴリズムを使用する.このアルゴリズムは1次元ごとに,射影空間から元の空間へとベクトルを変換する.この時の動作は,サンプリングアルゴリズムの入力を限定した場合と一致するため,Babai liftはサンプリングアルゴリズムの特別な場合とみなすことができる.その一方,我々はAPKC 2019で,サンプリングアルゴリズムが出力する格子ベクトルの長さを確率的に推定する方法を提案している.この方法を射影格子ふるいが使用するBabai liftに適用することで,射影格子ふるいの性質や性能の解析および高速化の検討が可能であると考えられる.実験を行なった範囲では,APKC 2019で提案した推定方法がある程度適用可能であるとの示唆が得られているため,より詳細な実験とさらに高速なアルゴリズムを開発するために,アルゴリズムの設計やプログラムの開発を行なった.しかし,十分な計算性能を達成しておらず,さらなる研究が必要である.また,APKC 2019で提案した確率的推定法により,格子ベクトル列挙アルゴリズムの高速化の着想も得た.実際に有効なアルゴリズムを構成できるかを検討するために実験を行なったところ,計算精度に問題があることが判明したため,その解決方法を模索中である.
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