2020 Fiscal Year Research-status Report
動的モード分解に基づくHDR動画像生成技術の確立と応用
Project/Area Number |
18K18073
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
松岡 諒 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (40780391)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高ダイナミックレンジ画像 / スパースコーディング / 凸最適化 / 画像復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
トンネルの出入り口などのダイナミックレンジの広い撮影環境では、黒潰れや白飛びによる情報欠損が生じるため物体認識精度が著しく低下してしまう。これは、シーンの光情報を忠実に保存する高ダイナミックレンジ(HDR)センサを用いることで解決できるが非常に高価であるため、広範な普及のためには低ダイナミックレンジセンサを用いた画像統合型HDRカメラ技術の開発が望まれている。本研究課題の目的は、動的モード分解法(DMD法)とスパースコーディングに基づき高効率で実用的な画像統合型HDRカメラ技術を確立することである。2020年度は、昨年度に引き続き動画像から高ダイナミックレンジ動画像の生成、センサノイズや映り込みなどのノイズ除去を中心に取り組んだ。また、本技術の実用化を見据えて高次元データの復元への応用として、ハイパースペクトル画像のパンシャープニングやそのノイズ除去、二次元スパースFIRフィルタ設計への応用に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画から一部変更し、実験データの収集やワークステーションを用いた大規模データの実験解析と並行して応用フェーズの主要な動画像データやハイパースペクトル画像などの高次元データにおける画像復元への応用に取り組んだ。おおむね計画通りに進捗している。また、関連する成果に関しては、リモートセンシングに関するトップカンファレンスであるIEEE IGARSS2020や同分野の難関国際学術論文誌であるMDPI remote sensingに掲載済みである。また、二次元スパースFIRフィルタ設計に関する応用研究の成果を信号処理分野の国際会議であるAPSIPA ASC2020に掲載済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、拡張DMD法を実応用を想定した多様なシーンに適用し、その復元精度を定性的/定量的に比較・評価することで、本手法の有効性を解析・検証する。また、本技術の高次元データ復元への応用についても引き続き検証を行う。未発表の成果について、学会発表や論文投稿準備を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由については、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴い、年度末に参加予定であった国際会議や国内の学会、研究会などがオンライン開催に変更になり、また、現地参加ができなくなったため、当初予定していた配分額よりも旅費が大幅に余ったためである。また、所属大学の入構制限により、研究室のワークステーションを用いた大規模数値実験や実験に必要な動画像のデータ収集に関するスケジュールが後ろ倒しになったことも研究計画が遅れた理由である。また使用計画については、今年度(2021年度)の学会参加費や現在執筆中・投稿中の論文の英文校正費用やその掲載費用に充てる予定である。論文執筆については、当初の計画を大幅に超える成果が出ているため、論文投稿やその掲載費用が当初計画よりも必要となっている現状を踏まえるとこれらに繰越費用を充てることは、本研究費の使用用途として妥当であると考える。
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Research Products
(8 results)