2018 Fiscal Year Research-status Report
実世界の経年変化シミュレーションのための深層学習フレームワークの確立
Project/Area Number |
18K18077
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
飯塚 里志 筑波大学, システム情報系, 助教 (30755153)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 経年変化 / 画像処理 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元静止画像に写る物体がどのように経年変化していくかを深層学習を用いた画像処理によって再現するため、データセットの収集および学習フレームワークの検討と実装を行った.データセットについては、経年劣化した物体を含む画像を大規模な画像共有サイトなどから収集した。複数種類の経年劣化の特徴を調査するため、まずは水汚れや錆、塗装の剥落、苔やカビによって経年変化が起こっている物体の画像を集めた。収集した枚数自体はまだそれほど多くないため、今後さらに多くの画像を集める必要がある。また、必要に応じてそれぞれの画像にアノテーションを行い、教師あり学習を行えるようにする予定である。 また、物体の特徴を効果的に抽出するためのニューラルネットワークモデルや学習アルゴリズムの構築に取り組んだ。経年劣化を再現するような画像変換を教師データを用いて学習させるためには、経年変化が起こる前のきれいな物体と経年変化後の劣化した物体のペア画像を用意する必要がある。しかし、このような教師データを大量に集めることは困難であるため、画像分類など別のタスクのために学習させたネットワークモデルのパラメータを効率的に転移させるための手法や、敵対的学習を応用して教師なしデータを学習させる手法について検証を行った。また、attention機構と呼ばれる画像中の注目箇所を特徴空間上で計算する手法により、ニューラルネットワークをより効率的に学習できることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね計画通り、物体の経年劣化を写した画像の収集を行い、その経年変化を再現するためのニューラルネットワークモデルおよび学習フレームワークの検討を行えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでに検討した学習アルゴリズムやニューラルネットワークモデルを用いて実際に学習を行い、その精度や問題点を検証する。特に、最初は扱う経年変化を種類を限定し、その再現性や特性を探りながら研究を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当該年度は主にアルゴリズムの検討やデータ収集などを中心に行ったため、物品購入費が抑えられている。今後は翌年度分の予算と合わせて高性能GPUサーバーを購入し、考案したネットワークモデルを実際に学習し、検証を行う予定である。
|