2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K18092
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
上間 裕二 大阪府立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (20713671)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 瞬目 / 認知負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,人の瞬目の中でも自発性瞬目に基づいて人の集中度を定量的に評価する手法を構築し,構築した評価指標を用いて人の内外の介入に対する集中度の変化を調べることで,集中状態を生起させる因子については明らかにすることを目的としている. 令和2年度ではまず,認知負荷の高低に違いにおける瞬目パターンに関する比較検証を行った.具体的には単純計算課題を用いて,課題に取り組んでいる状態か,または安静の状態かを瞬目パターンから区別することができるかを検討した.単純計算課題としてはクレペリンテストを採用し,眼球運動の計測は眼電位法を用いた.実験参加者は合計40人であった.計算課題は15分を1回として,合計4回の課題に取り組んでもらい,1回目の課題実施前および4回目の課題実施後に安静区間を設けた.計測後に課題区間と安静区間における眼電位の比較解析を行った.解析の結果より,課題区間と安静区間において,瞬目の頻度が有意に異なることが認められた.個人毎の比較においても,約9割(37人)が同様の傾向を示した. 次に,聴覚刺激の介入による単純計算課題のパフォーマンスの変化について検証を行った.実験は上述の設定に加えて脳血流の計測および聴覚刺激のためのヘッドホンを装着して行った.聴覚刺激に関して,合計4回の計算課題のうち前半の2回,または後半の2回に取り組む直前の5分の間,装着したヘッドホンから音を提示した.計測後,直前に聴覚刺激を提示した区間と提示しなかった区間における脳活動の比較を行った.検証の結果,一部の傾向として単純計算課題の実施量が変わらない一方で,聴覚刺激が提示された直後の区間においては脳活動が低下することが示唆された. 以上のように,令和2年度では計算課題中における瞬目パターンの変化と,聴覚刺激が課題のパフォーマンスに与える影響を検証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験期間の延長および同時に計測を行う被験者数を絞る等の感染症対策を十分に行った上で,計測予定であった人数の実験を完了した.しかしながら,実験期間が後ろ倒しになった影響で,解析の一部および論文投稿に関して遅れが発生したため,研究期間を来年度まで延長し継続する.以上より,研究はやや遅れていると考えているが,来年度の継続期間により十分にリカバリできる状況であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,本年度実施た実験から得られたデータの解析をおよび論文投稿を行う予定である. 特に,聴覚刺激による介入が単純計算課題のパフォーマンスに与える影響だけではなく,眼電位法で計測したデータとの関係について詳細な分析を進める.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により執行予定だった経費の一部が未使用となったため.これらの助成金は令和3年度の論文投稿費用等に用いる予定である.
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Research Products
(1 results)