2021 Fiscal Year Research-status Report
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18K18093
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
玉田 靖明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (90803875)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 立体視力 / スマートフォン |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年7月,3次元画像コンファレンス2022においてポスター発表を行う予定(題目:『自然画像の奥行き知覚における両眼視差の効果~球体の刺激~』,著者:稲冨一貴,佐藤雅之,玉田靖明).ここでは,本科学研究費助成事業において購入したオートレフメータを用いて,被験者の屈折度数と瞳孔間距離の測定を行い,自然画像における奥行きの知覚との相関関係を調べた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Processingという開発環境で,iPad上で動作する立体視力測定プログラムを作成した.刺激は視野角15°×15°の範囲に内在するランダムドットであった.ランダムドットは3×3のマス目に区切られた.各マス目の中で,両眼網膜像差を二次元ガウス関数状に変調した.9マスの内1マスだけ交差性の両眼網膜像差を,残りの8マスには非交差性の両眼網膜像差を与えた.したがって8マスの凹面と1マスの凸面が知覚されるような刺激であった.被験者の課題は,凸面の位置をタッチペンによりタッチすることで応答することであった.以下の2つのアルゴリズムで,奥行きを弁別できる最小の両眼網膜像差(立体視閾)を測定する.一つ目の方法は,通常の視力検査と同じように,実験者が被験者の様子を見ながら初期値を設定し最小の試行回数で立体視閾を求める方法で正答率が60%以上の両眼網膜像差の中で最小のものを立体視閾として測定できる.こちらは比較的短時間で実験が終了することから,立体視力の簡易測定と位置付けられる.二つ目の方法は,実験者の介入なしで,変形上下法により立体視閾を測定する方法で,正答率70.7%になる両眼網膜像差を立体視閾として測定できる.こちらは比較的試行回数が多くなるが,その代わりに,感度の変化を細かく捉えることができることから,立体視力の精密測定と位置付けられる. ランドットテストにより測定した立体視力(従来法),作成した実験プログラムにより簡易測定した立体視力,精密測定した立体視力,オートレフラクトメータ―によって測定した両眼の屈折力と瞳孔間距離,レンズメータによって測定したレンズ度数,被験者に情報提供してもらうコンタクトレンズのレンズ度数,スマートフォンの使用状況をデータとして,採取し,各パラメータの相関関係を調べる.
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Strategy for Future Research Activity |
紆余曲折はあったが,実験システムの構築が完了した.今年度中に実験データの採取と学会発表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
思ったように実験が進まず,当初予定していた学会発表などができなかったため.
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