2018 Fiscal Year Research-status Report
話者の意図を適切に伝達可能な多言語間対話支援環境構築に関する研究
Project/Area Number |
18K18096
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
福島 拓 大阪工業大学, 情報科学部, 講師 (40714829)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 多言語間コミュニケーション支援 / 医療分野 / 多言語用例対訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度の具体的な研究成果は下記の2点にまとめられる. 1.本研究で活用するメディア複合型対話様式を実システムで利用する場合,利用者が入力した内容をシステムが適切に把握する必要がある.しかし,従来手法では適切な把握を十分にできない場合が存在していることが調査によって明らかになった.そこで,意図の把握を可能とするために,対話様式の推薦機能と,利用者の意図を対話様式に合わせて変換する機能を提案し,システムに実装を行った.実験より,両機能を用いることで意図の伝達に必要な対話回数や時間を減少可能であることを示した.また,被験者の主観評価においても,従来システムよりも提案システムの方が,自身の伝えたい内容が伝えやすいことを示した. 2.用例の一部を穴埋め形式とした穴あき用例の概念を用いて,既存の多言語用例対訳コーパスから新たな多言語用例対訳を自動生成する手法を提案した.本手法では,単言語話者がそれぞれの言語で作成した正確な用例と,対訳になり得る穴あき用例の対とを活用することで,従来手法よりも正確な用例対訳の作成を行っている.用例対訳作成実験の結果,高い精度で多言語用例対訳の作成が可能であることを示した.また,従来手法よりも正確性が高く,人的コストが低いことを示し,多言語用例対訳の作成において大きく貢献可能であることを示した.本技術の確立により,本研究課題で使用する多言語用例対訳を低コストで作成することが可能となる. また,前述の2点の研究成果の他に,最終年度に実施を予定している実環境への適用に向けて,研究協力者との打ち合わせを実施した.打ち合わせでは今後の方策について情報交換を行い,実環境への適用調査に向けた準備作業を遂行した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は,メディア複合型対話様式と組織知を活用することで,話者の意図を適切に伝達可能な多言語間対話支援手法の実現を目指している.本年度はメディア複合型対話様式に関する研究を予定していた. 本年度では,研究実績の概要でも述べたとおりメディア複合型対話様式を用いたシステム構築を実施した.また,研究成果もあげていることから当初の目的を達成していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は組織知の活用に取り組む.その際,今年度に実施した研究の成果を踏まえて改良を行ったシステムへ適用する. また,最終年度に実施予定の実環境への適用調査の準備も合わせて実施する.
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Causes of Carryover |
(理由)研究計画を見直し,多言語翻訳や画像作成については次年度以降に実施することとした.また,購入機器の変更も実施している.このため,予定代金の一部が次年度使用額として生じた. (使用計画)本年度の残額は,多言語翻訳や画像作成費用として使用する.また,次年度で必要となる機材の購入代の一部にあてる.
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Research Products
(2 results)