2018 Fiscal Year Research-status Report
永久磁石の磁気力を用いた力触覚フィードバック機構の設計手法
Project/Area Number |
18K18097
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
尾形 正泰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (60783818)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 磁石触覚 / 力触覚フィードバック / シミュレーション / 電磁気学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヒューマンインタフェースやタンジブルインタフェースにおいて触力覚を持つ機構を容易に設計して利用するために、動力に永久磁石を用いた触力覚を「磁触」として定義して、磁触と触力覚の関係性を明らかにするものである。これまで、触力覚を持つ機構を設計する手法は素材構造、バネ機構、モータ動力などで行われてきたが、それぞれ高精度な製造機器の要求、バネを組み込む設計の煩雑さ、動力を伝える歯車および電気の必要な点で、設計と組み立ての両方におけるユーザの敷居が高かった。磁触を利用することでそれぞれの欠点を解消し、かつ簡単な設計と組み立てで強力な力触覚を提示する手法を実現する。本研究では、磁触の計算・設計手法として、有限要素法を用いた磁触の計算手法、物理シミュレーションおよびユーザインタフェースによる磁触の力学作用の設計手法について開発する。
本年度は磁石を動かしたときに変化する磁気力をパッシブな動力として用いることで力触覚フィードバックを設計する手法を研究した。有望な方法でありながらもこれまで触覚の設計に用いられてこなかった磁力について、電磁気学計算の複雑さと計算コストを克服し、磁力を実際に感じられる山谷の形状に変換する式を構築することで可視化と設計を可能にした。また、磁気ダイポール法を拡張して高速演算することで、リアルタイムプレビューを伴う設計ツールを開発した。実験において、磁石触覚のパターンについて識別・感性評価を行い、有用性と制約を検証した。さらに、磁石触覚を用いてタンジブルインタフェースやインタラクティブシステムを拡張するためのアプリケーションを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
設定した課題のうち最終の課題を除いて終了したため、計画よりも早く進捗した。 昨年度は国際学会の論文採択が1件あり、今年度は引き続き2件の論文投稿を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終の課題について昨年度までは解法が見つからなかったが、人工知能のアプローチを最適化計算に用いることで解決できる見通しがたった。 これと並行して、専門家以外であってもGUI上で磁石触覚とそれを実現するための磁石を含めた3Dオブジェクトを設計できるように、昨年度の設計ツールを改良していく。
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Causes of Carryover |
今年度は製造用機器の購入を予定していたが既存の機材で代替できたため先送りとした。 これを次年度に購入する予定である。
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