2018 Fiscal Year Research-status Report
Upper body motion control method of humanoid robot based on angular momentum compensation mechanism of human
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18K18132
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大谷 拓也 早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員(研究院講師) (70777987)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ロボティクス / ヒューマノイド / 走行 / 角運動量 / 上半身 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では実際の人間型ロボットにおいても有効な,人間の運動時の角運動量補償メカニズムに基づく上半身運動制御手法を明らかにしていく.具体的な研究方法として,初年度に,提案手法の具体化およびシミュレーションを用いた有効性検証を行い,次年度に,提案手法を人間型ロボットに適用し,走行運動時の安定性を評価する. 初年度である本年度には,走行のための下半身の運動制御手法は申請者のこれまでの研究で構築しているため,脚が発生する角運動量を算出し,これを相殺する角運動量を発生する体幹・腕運動制御法を構築した.人間は跳躍や走行中に上半身の体幹や腕部を動かすことで角運動量を発生させ全身のバランスを保っているといわれる.そこで,脚の運動制御は既存研究にてさまざまに提案されており,これはそのまま用い,その脚の運動を行った際の角運動量を計算し,立脚中には上半身により同等の角運動量を発生させることで全身の角運動量が小さい状態を維持する.跳躍中には全身の角運動量が保存されることから,ロボットの腰部の回転を防ぐように上半身により角運動量を発生させる運動制御とした.動力学シミュレーションを用いて提案手法の有効性を検証した.ロボットモデルは申請者がこれまでの研究で開発したものを用いた.シミュレーションにより,提案手法を用いない場合は跳躍中に腰部が大きく回転し着地に失敗してしまうが,提案手法を用いることで複数回の連続跳躍を行ってもその都度空中にて腰部姿勢を安定化させられることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では実際の人間型ロボットにおいても有効な,人間の運動時の角運動量補償メカニズムに基づく上半身運動制御手法を明らかにするため,当初は初年度に提案手法の具体化およびシミュレーションを用いた有効性検証を行い,次年度に,提案手法を人間型ロボットに適用し,走行運動時の安定性を評価する計画であった. 初年度である本年度の研究成果として,脚が発生する角運動量を算出し,これを相殺する角運動量を発生する体幹・腕運動制御法を構築した.人間は跳躍や走行中に上半身の体幹や腕部を動かすことで角運動量を発生させ全身のバランスを保っているといわれる.そこで,脚の運動制御は既存研究にてさまざまに提案されており,これはそのまま用い,その脚の運動を行った際の角運動量を計算し,立脚中には上半身により同等の角運動量を発生させることで全身の角運動量が小さい状態を維持する.跳躍中には全身の角運動量が保存されることから,ロボットの腰部の回転を防ぐように上半身により角運動量を発生させる運動制御とした.動力学シミュレーションを用いて提案手法の有効性を検証した.ロボットモデルは申請者がこれまでの研究で開発したものを用いた.シミュレーションにより,提案手法を用いない場合は跳躍中に腰部が大きく回転し着地に失敗してしまうが,提案手法を用いることで複数回の連続跳躍を行ってもその都度空中にて腰部姿勢を安定化させられることを確認した. また,上記提案手法の理論検証が滞りなく進んだため,翌年の方策である実機ロボットへの搭載をすでに進めることができた.特に,今後のロボット実験を円滑に進めるため,従来のシステムに対しROS(Robot Operating System)を用いる方が効率的である点が数箇所見つかったため,移行を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
2年目には,開発した運動制御手法を,申請者が開発している人間型ロボットにて実行することで有効性を検証する.検証のために必要な作業として,前年度に確立した制御手法をロボットのプログラムへの組み込み,および実験時のロボットの傾き計測に必要となるが現状不足している高精度姿勢センサのロボットへの搭載が挙げられる.高精度姿勢センサについてはすでに選定しており搭載および通信プログラムを作成する.制御手法のロボットプログラムへの組み込みに関しては,実際のロボット実験時に問題となる,シミュレーションと実機間のモデル誤差による検証の遅れを防ぐため,ロボットのプログラムをROS(Robot Operating System)上に再構築し,同じプログラムを用いたシミュレーションおよび実際のロボット実験を実現することを目指す.ロボット実験では,シミュレーションと同様に走行時の安定性を評価する.また,得られた成果について分野に影響力の高い学会での発表や論文誌(オープンアクセスで対外的評価の高いもの優先)への投稿を進める.
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Causes of Carryover |
初年度の提案制御手法の理論検証の成果報告時の論文掲載料が,所属機関からの補助を受けることが出来たため減額できた.翌年度分と合わせ,実機ロボットへのセンサ搭載,プログラム改良,実験に使用する消耗品を購入する.
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