2019 Fiscal Year Research-status Report
自己身体表象を基にした異なる身体性を有する学習ロボット間での転移学習
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18K18133
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
河野 仁 東京工芸大学, 工学部, 助教 (70758367)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体図式 / 身体マッピング / 転移学習 / 強化学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
学習アルゴリズムなどが実装された知能ロボットにおいて,環境適応の高速化や多彩な振る舞いを実現するためにすでに獲得した知識を再利用する手法が議論されている.とりわけ強化学習ロボットが獲得した知識(方策)を身体性の異なるロボットが再利用するためには,ハードウェアすなわち「身体性の違いとその対応関係」(マッピング)を,再利用する知識とともにロボット内に記述しなければならない.しかし,強化学習で獲得した知識の再利用手法である転移学習では,マッピングがヒトの手により行われており,自律的な知識の再利用が実現していない.そこで,本研究ではヘテロジニアスなロボット間での自律的な転移学習の実現を目指し,これまでヒトの手により設定されてきた転移学習のための身体マッピングを自動化することが目的である.そのため,心理学関連領域で提案されている身体表象の変容メカニズムをロボットのためのモデルとして検討し研究を行う.
前年度では実機の小型ヒト型ロボットによる手法の提案と評価を行っていた.平成31年度(令和1年度)では,多脚ロボットを対象にマッピングの自動化手法であるボディキャリブレーションを提案した.また,物理演算シミュレーションを用いたボディキャリブレーションの高速化手法を検討し,シミュレーションで獲得した身体図式を実機の多脚ロボットに用いることで異なる身体間での方策の再利用を実現した.平成31年度では昨年度の成果をロボティクスメカトロニクス講演会にて発表した.今後は計算機シミュレーションのさらなる高速化をはじめ,高精度化,様々な実機ロボットによる提案手法の評価を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度に計画した研究開発の内容はおおむね達成できており,学会発表も1件行っている.進捗・成果公開ともに順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では,最終年度であるため提案手法の最終評価のために計算機シミュレーションの高速化と引き続きの実機ロボットによる検証,手法の一般化や理論の体系化を加速させる.
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