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2019 Fiscal Year Research-status Report

RNA 2次構造を利用した遺伝子制御のための点突然変異のデザイン

Research Project

Project/Area Number 18K18145
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

寺井 悟朗  東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任准教授 (40785375)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2021-03-31
KeywordsRNA2次構造 / 遺伝子発現 / 比較ゲノム / 配列設計
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、原核生物の遺伝子発現を制御するための点突然変異をデザインする方法を開発することである。原核生物のモデル生物である大腸菌では翻訳開始点付近のRNA2次構造が遺伝子発現に大きな影響を与えることが知られている。そこで、RNA2次構造を安定化あるいは不安定化させる塩基置換を求めることにより、目的の点突然変異をデザインする。これを実現するために、効率の良いデザインアルゴリズムの開発、比較ゲノムなどを利用したデザイン結果の評価、翻訳開始点付近の2次構造的性質の精査を行う。
昨年度までに、設計に必要な2次構造エネルギー変化を効率よく計算するプログラムのプロトタイプの作成した。また比較ゲノムを利用して2次構造エネルギーを大きく変化させる点突然変異が進化的に避けられている傾向があることを示した。さらに、RNA2次構造エネルギーを含む様々な2次構造的特徴の中から、遺伝子の翻訳効率と相関の高い特徴を抽出した。ここで抽出した2次構造的特徴は、既存の特徴量を大きく上回る相関を示した。この2次構造的特徴の性質や既存特徴量との違いなどを精査することにより価値の高い研究成果につながることが期待された。そこで、今年度はこの2次構造的特徴に関する調査に研究資源を集中させた。具体的には、公開された大規模データを網羅的に入手し、このデータを利用して抽出した2次構造的特徴の精査を行った。その結果、この2次構造的特徴と既存特徴量に差異に関する詳細な情報を得ることができた。また、この特徴量はほとんど全てのデータセットで翻訳効率と高い相関を示すことが分かった。我々が抽出した2次構造的特徴は、これまでに開発したデザインアルゴリズムのプロトタイプに反映させることができる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度集中的に行った2次構造的特徴の抽出と評価において有望な結果が得られた。具体的には、公開された複数の大規模データセットを使って2次構造的特徴の精査を行った。その結果、ほとんど全てのデータセットで既存特徴量を上回る2次構造的特徴量を洗い出すことができた。また、この解析を通じて、この2次構造的特徴と既存特徴量に差異に関する詳細な情報を得た。つい最近、我々が抽出した2次構造的特徴の性質や有用性をまとめた論文の採択が決定したところである。以上により、全体として順調に推移していると評価する。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、公開された大規模データを用いて翻訳効率と相関が高い2次構造的特徴の精査を行なった。これにより、どのデータセットに対しても安定的に高い相関を示す特徴量を抽出することに成功した。今後は、この特徴量に基づく配列設計法の開発を行う。具体的には、これまでに開発したデザインアルゴリズムのプロトタイプに新たに抽出した2次構造的特徴を組み込む。また、今回抽出した2次構造的特徴は、既存の特徴量よりも優れているというデータを得ているが、理論的には改良の余地があると考えている。そこで、デザインアルゴリズムへの組み込みと並行して、この2次構造的特徴の改良を行う。

Causes of Carryover

2次構造的特徴量を厳格に評価するために、想定していたよりも多くのデータを用いた解析をおこなった。これにより論文投稿が予定よりも遅れたため、原稿準備や論文掲載のために確保していた費用を来年度に持ち越すこととした。また、年度末に予定されていた学会が中止にされたことにより予定通りに旅費を利用することができなかったことも繰越が生じた一因である。繰越した費用は、論文掲載にかかる費用として速やかに利用する。また、学会に関しては今後も中止やオンライン化などにより、予定していた旅費が軽減される可能性がある。この費用については物品購入や外注などによる研究の効率化に充てる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] Improving the prediction accuracy of protein abundance in Escherichia coli using mRNA accessibility2020

    • Author(s)
      Terai Goro、Asai Kiyoshi
    • Journal Title

      Nucleic Acids Research

      Volume: 48 Pages: e81~e81

    • DOI

      10.1093/nar/gkaa481

    • Peer Reviewed / Open Access

URL: 

Published: 2021-01-27  

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