2018 Fiscal Year Research-status Report
Exploring association between weight trajectory and lifestyle diseases with artificial intelligence in post-menopausal women
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18K18146
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江島 啓介 東京大学, 生産技術研究所, 国際協力研究員 (70730240)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統計モデル / 肥満 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は様々な生活習慣病の原因である。重度の生活習慣病の場合死に至ることもあり、肥満状態のモニタリングと適切な治療が重要である。これまでの肥満と総死亡リスクについての研究の多くは、ある一時点での肥満度のみに依存していた。ところが、近年の研究で、体重の変化が大きい人や過去に肥満状態を経験した人の死亡リスクはそうでない人に比べて統計的に優位に高いことがわかってきている。体重の時間変化を考慮した死亡リスク評価が求められているのである。本研究では特に体重の変化の大きい閉経後の女性に注目し、その体重変化のパターンを機械学習により分類し、死亡リスクに大きく関わる変化パターンを特定することを目的にする。本年度はまず簡単な統計モデルから、体重変遷がどの程度重要なのかを評価することにした。米国の閉経後の女性役15,000人を10年に渡って追跡調査したWomen’s Health Initiative (WHI)を分析した。分析にはgrowth mixture modelを用い、体重変化に関しては二次曲線を想定した。その結果、5年でのBMI変化に応じて5パターンに分類された:A) 体重過減少 (5年変化=-6.19 kg/m2; 95% CI=-6.63 to -5.76), B) 体重減少 (-1.97 kg/m2; -2.22 to -1.72), C) 変化なし (0.21 kg/m2; -0.09 to 0.51), D) 体重増加 (2.1 kg/m2; 1.34 to 2.86), E) 体重過増加 (5.36 kg/m2; 5.14 to 5.57)。変化なしグループを基準とすると、それ以外のグループの死亡率が優位に高いことがわかった。つまり、ある時点の体重に関わらず、体重が大きく変化する人は死亡リスクが高くなるということが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗している。上記に報告したように、当初の予測通り体重が変化することが死亡リスクに関わることが分かった。さらに、学会参加などを通じ、他のバイオマーカー(骨密度)などを分析する事、死亡以外のリスク(骨折)などとの関係を見るなど、次年度以降につながる知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はそもそも体重の変化が死亡リスクに関わるかを調査することが主目的で、そのパターンについて詳しくは調べられていない。今後は他のバイオマーカーを含んだ複数のバイオマーカーの時系列データの分類に挑戦し、肥満から死亡や他の健康リスクに関わるメカニズムを解明していく。
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Causes of Carryover |
予定していたデータ使用料は共同研究という形をとることで免除された。また、研究議論を直接研究施設を訪問して行う予定であったが、研究代表者と共同研究者の時間を合わせることが困難であったため、そのほとんどをメールやインターネットを用いて行ったたため、当初よりも渡航費が低く抑えられた。 次年度は研究成果が蓄積したこともあり、予定よりも多く学会発表の機会があること、また派生したいくつかの研究のために、新しい共同研究者を訪問し議論する必要がある。そのような当初予定していなかった派生研究への必要経費として割り当てる予定である。
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