2019 Fiscal Year Research-status Report
Exploring association between weight trajectory and lifestyle diseases with artificial intelligence in post-menopausal women
Project/Area Number |
18K18146
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江島 啓介 東京大学, 生産技術研究所, 国際協力研究員 (70730240)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 骨密度 / 骨折 / 統計モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は体重に注目し、その変遷と死亡リスクの関係を研究した。本年度は閉経後の女性の骨密度の変化と骨折リスクの関係を同手法を用いて解析した。骨折の中でも特に臀部の骨折に着目した。というのも、臀部骨折は運動機能に大きく影響を与え、筋肉量の低下を引き起こし、さらなる骨折リスクになるということが知られているからである。臀部の骨密度は年齢に依存して大きく変化するので、年齢や性別を考慮した骨密度指標であるT-scoreやさらに生活習慣を考慮したFracture Risk Assessment Tool (FRAX)が骨折リスクの評価に用いられる。しかし、これらのリスク評価では、ある時点の骨密度に依存しており、その変化がどのようにリスクに関わるのかは考慮されていない。そこで、本研究では骨密度の変化と骨折リスクを明らかにすることを目的とした。米国の閉経後の女性を10年以上にわたって追跡調査をしているWomen’s Health Initiativeのデータを用いた。骨密度の変化はgrowth mixture modelによって、その変化のパターンを大きく3グループに分けた。さらに、その分類と骨折リスクの関係をCox proportional hazardモデルによって解析をした。骨密度の変化によるグループ分けは、従来の一時点でのFRAXや骨密度に依存したグループ分けより、精度よく骨折リスクを予測できることを明らかにした。特に骨密度がもともと低く、さらに年齢とともに低下するグループは、高い骨密度をキープしているグループに比べ、骨折リスクが5倍になることが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗している。前年度の体重変化モデルが骨密度の変化を検出することに応用できること、さらに得られたパターンが骨折リスクに関わることが分かった。今後は骨密度の変化パターンがどのような生活習慣や生物学的特性と関係しているのかを明らかにしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでは、米国のデータの解析を主に行ってきた。本解析により分析手法が正しく作動することと、閉経後の女性で体重や骨密度の変遷が生活習慣病のリスクになることを明らかにできたので、最終年度は日本のデータの解析に取り組む。国立がんセンターと協力し、the Japan Public Health Center-based prospective (JPHC) Studyのデータを解析する。これまで閉経後の女性に着目した解析であったが、これにより男性や若い層での体重変遷が将来の生活習慣病リスクにどのように関わっているのかが明らかにできると期待される。
|
Causes of Carryover |
参加した学会で参加費が不要だったり、論文の提出費用や校正費用を共同研究者が拠出したため。来年度は予定している論文の校正費用や提出費用で使用する予定である。
|