2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of Recommender System with Explanations Based on Linear Regression
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18K18159
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
岡本 一志 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (10615032)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 情報推薦 / 推薦理由の説明 / 協調フィルタリング / 線形回帰モデル / 次元削減 / ニューラルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,推薦理由の説明機能を有するモデルベース協調フィルタリングを回帰分析により実現することを目指している.2018年度では,(1)開発する推薦モデルの方針策定,(2)開発したモデルの推薦精度の評価法の検討,(3)線形回帰をベースとした3種類の推薦モデルの検討に取り組んだ.
(1)本研究では,線形回帰モデルの偏回帰係数を推薦理由の説明に利用することを想定している.2018年度では,まず,2種類のスコア予測式(回帰式)の構築法を検討した.ひとつは,ユーザもしくはアイテム毎に回帰式を構築する方法,もうひとつは,factorization machinesと同様に,ユーザとアイテムを同時に1つの回帰式で扱う方法である.計算機実験等による検討の結果,前者には,計算コストや教師データ確保の観点での課題があることがわかり,2018年度は,後者のアプローチで進めることとした. (2)(1)を踏まえ,協調フィルタリングにおける推薦精度の評価法について文献調査を行った.スコアに時間情報が付与されている場合は,未来から過去のスコアを予測することは不適切なため,未来のスコアをテストデータとする方法を適用すべきであり,時間情報が付与されていない場合は,交差検証法やブートストラップ法が適用できることを確認している. (3)単純な線形回帰モデル,自己符号化器による次元削減を用いた線形回帰モデル,factorization machinesモデルの3種類の推薦モデルについて,推薦精度と得られる偏回帰係数の傾向を検証した.小規模ベンチマークデータセットを用いた実験より,factorization machinesモデルの推薦精度が最も高く,単純な線形回帰モデルと自己符号化器による次元削減を用いた線形回帰モデルでは,推薦精度と考慮すべき偏回帰係数の数がトレードオフの関係にあることを確認している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,開発したモデルの推薦精度の評価法を検討し,次元削減法を線形回帰モデルに適用し,小規模ベンチマークデータを用いた性能評価を予定していた.2018年度内にこれらを達成しており,おおむね順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度では,2018年度の研究成果を踏まえ,線形回帰をベースとした推薦モデルを複数のベンチマークデータセットに適用し,推薦精度と考慮すべき偏回帰係数の数の関係を分析していく.さらに,図書の貸出履歴を用いた図書推薦システムの構築に取り組み,推薦理由の説明の観点での線形回帰モデルの協調フィルタリング応用に関する利点・欠点を明らかにすることや偏回帰係数の提示方法についても検討を進める.
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Causes of Carryover |
2018年度の使用額はおおむね計画通りであったが,謝金や論文投稿関連費(掲載料や英文校正など)の執行が無かったため次年度使用額が生じた.次年度使用額については,当初計画どおり,謝金や論文掲載料,英文校正などに充てることとする.
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