2019 Fiscal Year Research-status Report
仮想通貨Bitcoinにおける取引履歴の解析による使用目的の識別と関連性の解明
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18K18162
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
豊田 健太郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 訪問助教 (60723476)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ブロックチェーン解析 / フォレンジックス / Bitcoin / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bitcoinのブロックチェーン上の取引を統計的機械学習により解析し,さまざまなサービスや犯罪毎に共通する取引の特徴を明らかにし,さらにBitcoinアドレス毎にそれがどのような目的に使用されたのかを識別する手法の確立に取り組んだ.本年度の成果は大きく分けて2つある.1つ目は,昨年度に引き続き,不当に高い利率を謳った高収益投資プログラムHYIP (High Yield Investment Programs) をBitcoinによって運営している場合に特化した検知手法についてより詳細な分析である.同一ユーザが保持するBitcoinアドレスを推定するクラスリング手法を活用し,より高い精度で識別が可能な機械学習モデルを得ることに成功し,既存手法で示されていたHYIP運営者の32個のアドレスのうち,提案手法により30個を正しく識別することに成功した.2つ目は,本手法を応用し,ダークネットマーケットの運営者のBitcoinアドレスを取引履歴の特徴から解析できるかを明らかにした.ダークネットマーケットは匿名通信路 (Tor: The Onion Router) のみでアクセス可能なマーケットプレイスであり,主に違法薬物などの売買に使われている.本手法では,インターネット上の掲示板からダークネットマーケットの運営者のBitcoinアドレスを収集し,それらの含まれる取引履歴をブロックチェーンから取得した.得られた取引履歴から特徴量を抽出し,機械学習によりどの程度識別できるかを評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブロックチェーンに関する国際会議 (IEEE International Conference on Blockchain and Cryptocurrency 2019)にて発表,また論文誌IEEE Accessに論文が1件採録されており,計画通りの成果が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も計画書の通りに研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
購入予定であった大型のワークステーションを来年度に持ち越したため.
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